炭酸ガスフラクショナルレーザー(CO2RE)

フラクショナルレーザーとは点状にレーザーを照射することで皮膚が大きな火傷になることを予防しつつ皮膚に強い刺激を与え、皮膚の再生を促す治療です。２００３年にフラクショナルレーザー理論が提唱され２００７年ごろから実用されるようになりました。治療を行うごとに１０−２０％の肌が生まれ変わっていくため複数回繰り返すことで徐々に皮膚が若返っていくという特徴があります。

フラクショナルレーザーが登場した当時は、画期的な概念であり、リスクが少ないメスを使わない若返り法として一躍、注目を浴びる治療となりました。それまではメスを使った治療がメインであったためです。

本場、米国では小じわ、たるみ、肌の若返り、しみなどの一般的な加齢現象に対して用いられるのに対し、日本ではニキビ跡、毛穴の治療に用いられることが主となっています。

フラクショナルレーザーにはアブレイティブ（蒸散型）フラクショナルレーザー（AFL）とノンアブレイティブ（非蒸散型）フラクショナルレーザー（NAFL）の２種類があります。
アブレイティブ（蒸散型）フラクショナルレーザーは皮膚の表面にて点状の穴が開くの特徴で、今回ご紹介する炭酸ガスレーザーや、エルビウムヤグ（Er:YAG）レーザーなどがあります。ダウンタイムが発生しますが、より高い効果が期待できます。

それに対してノンアブレイティブ（非蒸散型）フラクショナルレーザー（NAFL）は、皮膚の表面に傷をつけずに、点状にエネルギーを照射する機械で１５４０（リンク）、フラクセル3、アファームなどが代表的です。ダウンタイムがかなり短くなりますが、その分、治療回数が必要になります。

今回紹介させていただくCO2RE（コア２）は厚労省の認可が下りている唯一のフラクショナルレーザーです。フラクショナルリサーフェシングを行う治療機器として承認をいただいております。リサーフェシング(resurfacing)とは元々は再浮上、再舗装という意味ですが、美容医療においては皮膚にレーザーなどで軽い損傷を与えることで皮膚の創傷治癒を促し、肌を再生させ、アンチエイジングさせることを指します。

• 陥凹したニキビ跡にお悩みの方
• これまでの治療でニキビ痕の治療をしたがよくならなかった方
• 毛穴を引き締めたい
• 傷跡（手術瘢痕、外傷性瘢痕、リストカットなど）を目立たなくさせたい方
• 妊娠線を消したい方

に特にオススメの治療です。

治療について

嚢胞化したニキビに炭酸ガスレーザーで微小な穴をあけ、そこから膿を排出することで、 ニキビの治りを早めることを目的とした治療です。

料金

※院によって対応していない場合がございます。詳細はあらかじめ各院へお問い合せください。

治療方法

副作用

嚢胞化したニキビは放置すると高確率で、瘢痕、色素沈着、遅延性炎症（赤み）が形成されます。
ニキビ炭酸ガスレーザーはそれを予防するための治療法ですが、結果的にそれらが形成されてしまう可能性があります。 出血、内出血、排膿が見られる可能性があります。
稀ですが、麻酔薬アレルギーが起こる場合があります。

CO2RE（コア２）は、コンピューター付きのスキャナにより制御されており、フラクショナルレーザーだけでも４つの照射モードを選ぶことができます。
下図のライト、マイルド、ディープ、フュージョンモードの中から選ぶ、もしくは合わせることができます。

ライトモード

20-40μmの浅い角質層を蒸散させる治療です。 ピーリング的な効果があります

マイルドモード

100-200umの深さまで焼灼出来ます。表皮や真皮の再構築を行います。肌質の改善に向いています。

ディープモード

500-700 µmの深さまで治療が可能です。真皮レベルの治療となります。ニキビ跡、シワの治療に適しています。

フュージョンモード

マイルドモードとディープモードを合わせた治療法です。ニキビ跡やシワの治療に適しています。

フラクショナル炭酸ガスレーザー２回治療後

ScientificWorldJournal. 2012; 2012: 546528. Piero Campolmiら Highlights of Thirty-Year Experience of CO2 Laser Use at the Florence (Italy) Department of Dermatology

フラクショナル炭酸ガスレーザー３回治療後

J Lasers Med Sci. 2018 Winter; 9(1): 32–35. Mohamed L. Elsaieら Ablative Fractional 10 600 nm Carbon Dioxide Laser Versus Non-ablative Fractional 1540 nm Erbium-Glass Laser in Egyptian Post-acne Scar patients

フラクショナル炭酸ガスレーザー４回治療後

J Cutan Aesthet Surg. 2014 Apr-Jun; 7(2): 87–92. Imran Majid and Saher Imran Fractional CO2 Laser Resurfacing as Monotherapy in the Treatment of Atrophic Facial Acne Scars

フラクショナル炭酸ガスレーザーのニキビ跡に対する効果について

レーザー、RF（ラジオ波）などのニキビ跡治療に関してレビューを行なったGeorgios KravvasはA systematic review of treatments for acne scarring. Part 2: Energy-based techniques内にてフラクショナル炭酸ガスレーザーはもっともエビデンスのある治療法であると述べています。また効果に関しても炭酸ガスレーザーを初めてとしたアブレイティブフラクショナルレーザーがもっとも効果が期待できるが、痛みやダウンタイム、炎症と沈着のリスクがあると述べています。
これは花房も同意見で、多少の痛みやダウンタイムがあってもとにかくニキビ跡を治したい、という方にオススメの治療法です。

フラクショナル炭酸レーザーの効果

Faghihi et al.によるとニキビ跡のクレーターに対する2回のフラクショナルレーザーによる治療で 26.2% minimal response（わずかに改善）, 42.9% moderate（まずまず改善）, 31% good（改善）と述べています。

Mohamed L. Elsaieらによると４回の炭酸ガスフラクショナルレーザー治療後、３ヶ月の経過観察した結果、25％の改善が10.3%、25-50%の改善が27.5%、51-75%の改善が41.3%、75%以上の改善が20.6%の患者で見られたと報告しています。
Ahmed et alらは、フラクショナル炭酸ガスレーザーはディープピーリングよりも効果が高いと報告しています。
その他、フラクショナル炭酸ガスレーザーはニキビ跡の治療において他の治療法より効果の点では高いというデータは多数あります。

花房のCO2REに関するコメント

CO2REはコンピュータ制御された様々なパターンのフラクショナルレーザーを照射できることが最大の特徴です。
ニキビ跡や毛穴の症状は人それぞれで肌質も異なっておりますので、画一的な治療で効果は乏しく、様々なパターンの治療を行うこととても重要です。また一人の患者様に関しても、ニキビ跡が深い部位、それほどでもない部位がありますので、症状に合わせて照射できるのがCO2REの大きなメリットです。通常、ニキビ跡のパターンは人それぞれ異なりますので、それぞれの方に合わせた治療が行える、ということになります。
ただ、治療後、炎症後色素沈着、赤みといった副作用が出ますので、それを許容できるのであれば、ニキビ跡、毛穴に対して最適な治療となります。
ニキビ跡に対しては（手術を除けば）、最も強力でエビデンスレベルの高い治療法と言えるでしょう。

フラクショナル炭酸ガスレーザーの副作用

フラクショナルレーザーの副作用は

• ・治療による赤み
• ・痂皮化（かさぶた化）
• ・むくみ、腫れ
• ・遅延する赤み
• ・ニキビ形成
• ・炎症後色素沈着

が挙げられます。 治療後の赤みは３−４日続きます。
一時的なむくみが４−6日続きます。
痂皮形成（かさぶた）は７—14日続きます。
遅延する赤みというのは、傷が治った後に発生する赤みで、1−3ヶ月ほどで自然に消えますのでそれほど心配は要りません。
Imran Majidらによれば、一時的なニキビ形成が26人中、６名に見られました。
また２６名中３名に炎症後色素沈着が見られましたが、付け薬で２−３ヶ月で治りました。
いずれの副作用も一時的で永続的に残るものではないので、極端に恐れることはありません。

エクソソームは細胞間の情報伝達に関わると指摘されている細胞外小胞です。細胞に取り込まれることでターゲットとなる細胞に作用し効果を発揮します。

エクソソームは肌のたるみやしわの改善、美白、老化防止、育毛などさまざまな作用が期待でき、フラクショナルレーザーやダーマペンと併用した際のニキビ跡に対する有効性にも注目が集まっています。

医師施術

看護師施術※朝霞台・新宿院・京都院のみ

※サブシジョン＋炭酸ガスレーザー全顔メニューもご用意しております。（ニキビ跡）

詳しくは各院にお問い合わせください。

• ・表記価格は税込みです。
  ・院によって対応メニューが異なります。詳細は各院へお問い合せください。

• フラクショナルレーザーの歴史について
• フラクショナルレーザーの適応と種類