いぼ治療
いぼ治療について
いぼはありふれた皮膚疾患で、外来の患者様も非常に多い疾患です。いぼと言った場合、広い意味では、魚の目や、首いぼ、痒疹結節、ウイルス性疣贅、老人性疣贅などすべてを含むこともありますが、皮膚科学的にはウイルス性疣贅と老人性疣贅をさすことが多いです。
ウイルス性疣贅には様々な種類がありますが、代表的なものは
があります。いずれもヒト乳頭腫ウイルスによる感染症です。
ヒト乳頭腫ウイルスは100種類以上確認されており、感染するウイルスの種類によって、臨床型が異なるとされています。ウイルス性疣贅の中で最も多いのが尋常性疣贅で、ウイルス性疣贅の中の95%を占めます。
尋常性疣贅は、年齢を問わず発症しますが、特学童期のお子様に多いとされています。体中どこにでも発症し得ますが、手や足の裏によく見られます。
まずはカウンセリングからご予約ください。
当院のいぼ治療へのこだわり
いぼ治療において、日本では液体窒素による冷凍凝固術が中心として行われており、あたかもそれが治療のすべてであるような印象すらあります。確かに液体窒素によるいぼの冷凍凝固術は手間がかからず簡便で、特に技術を必要としないと行った利点があり、過半数のいぼは冷凍凝固術のみで治ってしまうと思います。しかし冷凍凝固術は必ずしも最も優れたいぼへの治療という訳ではありません。液体窒素でいぼの治療を1〜3年行ったにも関わらず、良くならなかったため当院を受診される患者様が後をたちません。
冷凍凝固術には3つの欠点があります。
①冷凍凝固術は痛みが強くお子様を中心に治療を継続できなくなる方が多い点です。冷凍凝固術は定期的に行うのが重要ですので、時々しか治療を受けないと十分に効果を発揮することは出来ません。
②冷凍凝固術によりいぼウイルスを周囲にまき散らしてしまい、かえっていぼを広げてしまうことがある点です。冷凍凝固術を行ったところ小さかったいぼが広がってしまったという訴えもよく効かれます。
③冷凍凝固術により皮膚が反応性に肥厚し、かえっていぼが治りづらくなることがある点です。
いぼを専門とする研究者との研究会においても、液体窒素による冷凍凝固術を週1回、2ヶ月程度繰り返し、良くならない症例においては他の治療法に変更すべしとの意見が多数でした。
当院ではもちろん冷凍凝固術をいぼ治療の第一選択としていますが、それで反応が乏しければすぐに他の治療に変更するか、他の治療を加えるようにしております(それによって患者様の治療費が高くなるということはありません)。院の方針によりご案内できかねる場合がございます。
またそれぞれのいぼにより、冷凍凝固術の効きは違いますので、一様に冷凍凝固術を行うのは好ましいことではありません。
例えば、青年扁平疣贅や、糸状疣贅、尋常性疣贅の初期などは冷凍凝固術が最も優れた治療で、それ以外の方法はあまり考えられません。それに対し、ミルメシアや足の裏の固い尋常性疣贅は冷凍凝固術に抵抗しますので、必ず他の治療を組み合わせなければいけません、尖形コンジローマやボーエン様丘疹症の場合は速やかにレーザー治療や手術療法に移行すべきでしょう。
以上のようにいぼの種類にあわせて治療を行うべきで、また冷凍凝固術に反応しない場合はすぐに他の治療を追加するか、他の治療に変更する必要があります。
当院では、いぼの治療に冷凍凝固術の他、ヨクイニン内服、レーザー治療、手術療法などいぼの種類に応じて適切に組み合わせて治療を行っておりますので、より早く、より確実にいぼの治療が可能と自負しております。
*適応とならない種類のイボもございます。
いぼの種類
最も多いウイルス性疣贅(いぼ)でモザイク疣贅や糸状疣贅もここに含まれます。
手掌や足底に多く、見られるあまり盛上がらずに表面がざらざらてるのが特徴です。いくつかの疣贅が癒合して敷石状になったものをモザイク疣贅と呼びます。
顔や首では細長い突起を作ることが多く、糸状疣贅と呼ばれます。
※治療の取り扱い有無は各院にお問い合わせください。
陰部に鶏冠状に出来るいぼで、性感染症の一つです。一部、いぼが皮膚癌の原因となることがあります。
近年、通常のいぼの治療に加え、イミキモドクリームの保険適応が通り、その治療に進展が見られました。それ以外ですと手術による切除術をよく行います。
手の甲や、額に多く見られる、あまり盛り上がらない平坦ないぼで、多発することが多いです。一部融合したり、線状に並ぶこともあります。治る直前にいぼが赤くなって痒くなることがあります。
外陰部、肛門周囲、粘膜に多数見られる褐色~黒のいぼで、皮膚がんの原因となることがあるので注意が必要です。通常のいぼよりもさらに確実に取りきることが必要となります。炭酸ガスレーザーによる治療が著効しますので、炭酸ガスレーザーによる治療をお勧めしたいと思います。
それ以外にも様々なタイプのいぼがあり、やはり感染するウイルスの種類によってどのタイプの臨床型を取るか変わってきます。特に治りの悪いのが、ミルメシアと呼ばれるタイプのいぼです。
主に足の裏にできるいぼで、非常に皮膚が分厚く固くなり、治療を跳ね返してしまいます。
盛り上がりのある茶色いしみで『老人性いぼ』とも呼ばれます。このいぼはウイルスが原因ではなく、紫外線による肌の老化が原因と考えられており、角質が厚くなって膨らんでいます。老人性色素斑から発生することもよくあります。
このいぼは悪性化することはありませんが、かゆみなどの原因となることはあります。
中年以降の男女に好発し、60歳以降では必発といっていいほど一般的なシミです。フェイスライン(額やこめかみ)に多くみられ、胸元などにも認められます。脂漏性角化症は炭酸ガスレーザーにて簡単に治療することができます。
ウイルスの感染によってできる、良性のいぼです。2mm~5mmほどの大きさで表面には光沢があり、いぼの真ん中はくぼんでいます。
痒みや痛みはなく体に害もないので、自然治癒するのを待っても大丈夫です。ただ、自然に治るには1年~2年ほどかかってしまいますし、感染リスクを考えるとクリニックへ行くのがベストです。
水いぼは肌と肌の接触により感染します。弱いウイルスとは言いますが、タオルやマットの共有でうつることもあるので注意が必要です。
水いぼを引っ掻いた手で肌を触ると別の個所へ広がってしまうのは、このような接触感染が原因です。
他の人への感染や症状の悪化を防ぐためにも、早い段階での治療を検討しましょう。
当院では2017年6月以降、水いぼの摘除治療は行っておりません。ご了承ください。
治療法
液体窒素による冷凍凝固術が最も一般的な治療法です。
当院でもいぼの治療の第一選択肢とさせていただいております。
冷凍凝固術について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。院の方針よりご案内できかねる場合がございます。
※治療の取り扱い有無は各院にお問い合わせください。
治療中は数秒間痛みを伴います。その後もじんじんとした痛みが数時間〜数日続くことがあります。
冷凍凝固術を施した部位に水疱ができることがあります。
冷凍凝固術の注意すべき副作用としては、ほぼ確実に色素沈着ができます。
冷凍凝固術を強く当てすぎた場合は、瘢痕形成する場合があります。
冷凍凝固術についての詳しい説明はこちら
サリチル酸を含むシート状の貼り薬で、いぼの角質を柔らかくし、剥がれやすくする効果があります。皮膚が硬くなりやすい足の裏のいぼによく用います。小さく切り、いぼに貼りっぱなしにしておきます。特に痛みはありません。院の方針よりご案内できかねる場合がございます。
皮膚に紅斑、痒みが生じることがあります。
食欲不振や嘔吐、消化管出血などが現れる場合があります。
過敏症状が現れることがあります。
硝酸銀は古典的な外用薬で、たんぱく質を変性させる作用があり、ウイルスを不活化させます。病院でいぼに硝酸銀をつけると、徐々にいぼが黒くなり、一週間ほどでカサブタのようにぽろっとはがれ落ちます。特に痛みはありません。非常に古典的な治療法ですが安全性が高く、痛みが少なく、効果も高いので当院では良く使用します。院の方針よりご案内できかねる場合がございます。
まれに、焼けたような黒っぽい傷跡が残ることがあります。
治療中の痛みはありませんが、痒みを感じます。
炭酸ガスレーザーは水分にあたると反応し熱に変換に変換されるレーザー光線です。
炭酸ガスレーザーを照射することでいぼの体積を大幅に縮小させる効果があります。
巨大ないぼのボリュームを抑えたいときに用います。
ボーエン様丘疹症や尖形コンジローマの治療の場合は、第一選択肢とさせていただいております。
局所麻酔を使用していぼの治療を行いますので、治療中は全く痛みはありませんが、局所麻酔自体が場所によっては痛むので、手のひらや足の裏のいぼにはあまり向きません。
内出血(7~10日で治ります)が生じる場合があります。
施術箇所に色素沈着することがあります。
炭酸ガスレーザーについての詳しい説明はこちら
古くからいぼに良く用いられる漢方薬で、特にお子さまに効果が高いとされております。ハトムギから作られた漢方薬で、錠剤のものと顆粒のものがあります。これといった副作用もないため、当院でもよく用いております。薬の味も悪くないのでお子様にも飲みやすいと思います。
発疹、発赤、かゆみ、胃部不快感、下痢などの副作用が出ることがあります。
活性型ビタミンD3誘導体で、表皮角化細胞の増殖を抑制し表皮肥厚を改善する作用があります。 皮膚が硬くなりやすいミルメシアタイプのいぼによく用います。ただいぼにつけるだけではあまり効果がなく、いぼにつけた後に絆創膏やラップで密封したりスピール膏を被せることで高い治療効果を発揮します。特に痛みはありません。
ヒリヒリとした痛みや発赤、痒みを感じることがあります。
極稀に、高カルシウム血症の副作用がでる場合があります。
人口的なかぶれ薬をいぼにつける方法です。かぶれ薬をつけることで、免疫細胞をいぼに誘導し、その免疫細胞にウイルスを駆除させる方法です。非常に合理的な治療ですが、かぶれが予想よりも強く出過ぎることがありますので、難治性のいぼの患者様に限りご使用いただく方針としております。院の方針よりご案内できかねる場合がございます。
治療箇所に発赤、痒み、かぶれが生じます。
かぶれが強く出すぎると、水ぶくれや潰瘍ができることもあります。
局所麻酔を使って麻酔をかけた後にメスを使っていぼを切除する方法です。何をやってもいぼが治らなかった場合に行います。
尖形コンジローマの治療の場合は、第一選択肢としても良いと思います。
局所麻酔を使用して治療を行いますので、治療中は全く痛みはありませんが、局所麻酔自体が場所によっては痛むので、手のひらや足の裏のいぼにはあまり向きません。
イボの症状によっては、治療後に跡が残ってしまう場合があります。
傷が治るのに、切除後1~2週間ほどの期間が掛かります。
関連記事
症例のご紹介
尋常性疣贅
尋常性疣贅
糸状疣贅
ミルメシア
黒いぼ
よくある質問
いぼは、ヒト乳頭腫ウイルスと言うウイルスの一種が皮膚に感染してできます。ヒトとヒトとの直接的接触により感染しますが、プールや足拭きマット、スリッパを介した間接的感染も重要です。潜伏期間は1ヶ月~6ヶ月と長いので、原因がはっきり分からないことが多々あります。? このヒト乳頭腫ウイルスには多くの種類があって、その種類によってどのようないぼになるかが決まってきます。普通のいぼ以外にも、青年扁平疣贅、尖形コンジローマ、ボーエン様丘疹症などもヒト乳頭腫ウイルスの感染症です。
いぼの原因であるヒト乳頭腫ウイルスによる感染症は、癌の原因になることは有名で、特に子宮頸癌の原因なること良く知られています。ヒト乳頭腫ウイルスは100種類以上確認されていますが、その中で発癌性のあるタイプはある程度分かっており、通常タイプのいぼは癌の原因になることはほとんど無いのでご安心ください。ただ、ボーエン様丘疹症や尖形コンジローマは発癌の危険性の高いウイルスが感染している場合があり、きちんと治しきる必要がありあす。
ウイルス性疣贅の治療はすべて保険適応です。
老人性疣贅の治療は、炭酸ガスレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザーによる治療のみ保険適応外となります。
老人性疣贅から皮膚癌が発生しやすいとの報告は今のところ無いので、あまり心配しなくていいと思います。ただ、老人性疣贅と良く似た皮膚癌があるのも事実なので、一度、診察は受けておいた方が良いと思います。
美しくいぼが治るのはレーザー治療です。ただ、炭酸ガスレーザーやQスイッチアレキサンドライトレーザー治療の場合、保険が効かなく、治療が高額になることがありますので注意が必要です。
首いぼは厳密にはいぼではなく、首の摩擦によって生じる真皮のヘルニアです。ウイルスによる感染症ではありません。治療法は眼科剪刀により切り取る方法、液体窒素による冷凍凝固術、炭酸ガスレーザーによる治療を行います。すべて保険適応です。
液体窒素による冷凍凝固術は多少痛みが伴います。
炭酸ガスレーザーによる治療、手術療法はいぼの部分に局所麻酔を注入する際に痛みが伴いますが、治療中は全く痛みはありません。それ以外の治療はほとんど痛みがありません。
いぼは液体窒素の治療だけでは治らないことが多々あります。
その理由は
- 1.液体窒素で焼くことで、周囲の組織を傷つけ、いぼウイルスの感染を広げてしまう可能性があること。(これは多くの研究者が指摘していることです。)
- 2.何度も液体窒素でいぼを焼くことで、角質が反応性に肥厚し、徐々に効きにくくなる場合があること。
- 3.いぼの液体窒素の治療は痛いので、定期的に通えなくなる患者様が多いこと、があげられます。 三鷹はなふさ皮膚科でも、いぼには液体窒素による冷凍凝固術を標準治療の一つとしていますが、その限界やディメリットを考え、治療がうまくいかない方には早めに他の治療に切り替えていく方針としています。
今まで液体窒素の治療をやってみたが良くならなかった、という患者様には特に当院での治療を試していただきたいと考えております。
なかなか何回とはっきり申し上げることが出来ないのですが、通常のいぼですと毎週通っていただければ、2、3ヶ月で大抵の方は治っております。ミルメシアの場合だけ治りが悪く、やはりもう少しかかると思います。
すぐに手術をしてなおしたいというお気持ちは非常に良く分かるのですが、いぼの手術療法は局所麻酔の注射が必要なこと、術後数日間は痛みが残ること、傷跡が出来ることがあることなどを考慮し、他の治療ではどうしてもうまく行かなかったという患者様に限らせて頂いております。
例外的に尖形コンジローマの患者様の場合はすぐに手術をさせていただく場合があります。
特にありません。普段通り生活していただきたいと思います。
ただ、いぼと取ろうと、爪でガリガリ擦る方がおられますが、そうすることでウイルスを撒き散らしてしまい、他の部位にもいぼが出来てしまうことがありますので、ご注意いただきたいと思います。
そう簡単にはいぼはうつるものではないので、極端に心配する必要はないと思いますが、いぼを直接手で触らせないようにすることと、手を拭くタオル、足吹きタオルを別にするなどの工夫で十分と思います。特に手湿疹があり手が荒れてらっしゃる方はいぼのウイルスがうつりやすいと思われますので、少し注意が必要です。
まずはカウンセリングからご予約ください。
まずはカウンセリングからご予約ください。
三鷹院
新座院
国分寺院
久我山院
志木院
大宮院
朝霞台院
池袋院
新宿院
京都院
なんば院
渋谷院
名古屋院
福岡院
静岡院
※掲載内容・料金は更新時点での情報の場合がございます。
最新の料金は料金表ページ、内容は各院にお問合せください。