炭酸ガスフラクショナルレーザー(CO2RE)
炭酸ガスフラクショナルレーザーとは
フラクショナルレーザーとは、肌に点状にレーザーを照射することで、皮膚全体が大きなダメージを負うのを防ぎながらも、局所的には強い刺激を与え、皮膚の再生力を引き出していく治療です。この理論が提唱されたのは2000年代前半で、実際の臨床現場で本格的に用いられるようになったのは2007年前後からと、美容医療の中では比較的新しい技術に分類されます。照射のたびに肌全体のおよそ1〜2割が生まれ変わるとされており、1回で劇的な変化を求めるのではなく、複数回の施術を重ねることで少しずつ肌質を底上げしていく治療です。
登場した当初は、メスを使わずに肌の若返りを図れる画期的な方法として大きな注目を集めました。それまでの美容医療は切開を伴う治療が中心だったため、リスクを抑えながら組織の再生を促せるという発想自体が新しかったのです。なお、欧米では主に小じわやたるみ、肌の加齢変化に対して使われることが多いのに対し、日本国内ではニキビ跡や毛穴の治療目的で選ばれることが多いという傾向の違いも見られます。
フラクショナルレーザーには大きく分けて、皮膚表面に微小な孔を実際に開けるアブレイティブ(蒸散型)と、皮膚を傷つけずに熱エネルギーだけを届けるノンアブレイティブ(非蒸散型)の2種類があります。アブレイティブ型はダウンタイムが生じやすい一方で効果が高く、少ない回数でも変化を実感しやすいとされます。反対にノンアブレイティブ型はダウンタイムが短い分、効果を得るにはより多くの回数を要します。今回ご紹介するCO2REはこのうちアブレイティブ型に分類される機器です。
CO2RE(コア2)の特徴
CO2RE(コア2)は厚労省の認可が下りている唯一のフラクショナルレーザーで、フラクショナルリサーフェシングを行う治療機器として承認を得ています。「リサーフェシング:resurfacing」は再浮上・再舗装という意味をもち、美容医療においては皮膚にレーザーなどで軽い損傷を与えることで皮膚の創傷治癒を促します。これにより、肌を再生させ、アンチエイジングケアを行います。
厚労省の認可は単なる形式的な承認にとどまりません。有効性や安全性について一定の審査基準をクリアした機器であるという裏付けになるため、ニキビ跡や毛穴の治療を検討するうえで、機器選びの目安になります。また、CO2REはコンピューター制御のスキャナーを搭載しているため、手で操作する従来型の炭酸ガスレーザーに比べて、照射面をムラなく均一に仕上げやすいメリットがあります。照射の均一性は、傷の治りの早さや仕上がりのきれいさに直結する部分であり、治療効果を左右します。
さらに、ライト・マイルド・ディープ・フュージョンという4つの照射モードを状態に応じて使い分けられるため、浅い角質の質感改善から、深いクレーター状の瘢痕まで、1台で幅広い悩みに対応できることも大きな強みです。「効果は高いが治療機器の選択肢が乏しい」「ダウンタイムが心配で踏み出せない」といった悩みに対しても、モードや出力を調整することでバランスを取りやすく、患者様一人ひとりの肌状態や希望に寄り添った治療を組み立てることができます。
4つの照射モード
| モード | 照射深度の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ライトモード | 20〜40μm | 浅い角質層を蒸散。ピーリングに近い作用。 |
| マイルドモード | 100〜200μm | 表皮・真皮の再構築を促し、肌質改善向き。 |
| ディープモード | 500〜700μm | 真皮レベルまで作用。ニキビ跡やシワに適する。 |
| フュージョンモード | マイルド+ディープ | ニキビ跡・しわに対応する組み合わせ照射。 |
Dr. 花房のCO2REに関するコメント
CO2REを実際に使っていて感じるのは、1台で複数の照射モードを使い分けられる汎用性の高さです。ニキビ跡や毛穴の悩みは、深さも範囲も一人ひとり異なります。浅い凹凸には出力を抑えた照射で負担を軽くし、深いクレーターにはしっかりと熱を加えて再構築を促す、というように、同じ機器の中で強弱を細かく調整できることは、治療の満足度に直結すると考えています。
一方で、フラクショナルレーザーである以上、赤みやかさぶた、色素沈着といったダウンタイムはどうしても避けられません。この点をあらかじめご理解いただいたうえで治療を受けていただくことが、結果的に良い仕上がりにつながると感じています。すぐに効果が出るものではなく、肌が生まれ変わっていく過程にじっくりお付き合いいただく治療ですので、焦らず継続していただくことをおすすめします。
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