はなふさ皮膚科 HANAFUSA BEAUTY CLINIC

↑TOPへ戻る

※院へのご質問がある方は
まずはこちらをご覧ください。

よくある質問はこちら
close

注入療法の歴史と最新事情

About  注入療法の歴史と最新事情

注入療法(米国ではシリンジセラピーと呼ばれています)の歴史と最新事情について解説しておきたいと思います。

注入療法は主にフィラー(ヒアルロン酸https://mitakabiyou.com/wrinkle/hyaluronic-acid/)、神経調整剤(ボトックス・・・https://mitakabiyou.com/wrinkle/botox/)、脂肪溶解注射(米国ではカイベラ、日本ではBNLS・・・https://mitakabiyou.com/wrinkle/bnls/)を使った治療のことです。

注入療法がかつても、今も美容医療の大きな柱になっていることは、いうまでもありません。しかし、その注入方法の考え方は、時代とともに大きく変化していきました。

注入療法は米国で、1990年代に始まりました。
はじめ注入療法は
●1D(線の治療)シワを伸ばすだけ。
というところからスタートしました。例えば、ほうれい線にヒアルロン酸を注入して伸ばす、目尻のシワにボトックスを注射し、目尻のシワを消す、というアプローチです。

そこからすぐに
●2D (面での治療)顔の窪みの治療を行う。
というところまで到達いたしました。

フィラーを多めに注入すれば、窪みの治療ができることは、すぐに気がつくので1D→2Dまでは自然な流れで思いついたのでしょう。
今も注入療法は1D、2D
のイメージが強いのですが、すでに過去の注入方法となっています。

その後、かなり時間があいて2000年代後半から、
●3D(立体)顔を立体的に考え、シワやたるみの改善を行う。
ということが意識される様になりました。
これは輪郭や顔の形も含まれています。
日本では、2010年以降にこの概念が導入されました。

例えば、ほうれい線を考えた時にほうれい線をシワとして考えるのではなく、たるみの結果であると考えることです。
たるみは脂肪層の下落、骨の萎縮、コラーゲンの減少、皮膚の弾力の低下、皮膚の支持組織の緩みの結果である、と考えることです。ほうれい線の治療において、1Dであればほうれい線そのものにフィラーを注入していたのですが、3Dでは例えば頬骨上にファイラーを注入することで、たるみを改善させる、というアプローチが可能となりました。日本でも2018年現在、3D注入がかなり普及してきております。
確かに3Dはブレイクスルーでしたが、徐々に不自然で過剰な注入が目立つようになってきました。

●4D バランスや調和を重視する
これは2010年代中旬から米国を中心に始まったら考え方で、顔の対称性や黄金律から考えた注入法を行います。
米国では注入療法が盛んになるにつれ、不自然すぎる注入方法が目立つようになりました。
セレブがヒアルロン酸を入れすぎて不自然になった写真を連日、ゴシップ紙で見かけた人も多いでしょう。
例えば、3Dで解説したように頬骨上にフィラーを注入すれば、たるみは改善されますが、頬がパンパンに膨らんでしまって’バランスがいい’とは言えません。

そもそも、東アジア人は頬骨が強く発達していることが多いので、頬骨上にさらにフィラーを注入するのは、バランスを考えた上ではいい方法とは言えません。
また顎がもともとしっかりした女性のフェイスラインにさらにフィラーを注入するというのは明らかに間違った考え方です。

そのような反省点を踏まえ、4Dではバランス、ハーモニー、自然さを重視し、左右差をただし対称性をもたせ、顔全体のバランスを改善させながら、若返りを目指します。
例えば顔の脂肪が多い人には単にフィラーを注入するだけでなく脂肪溶解注射とフィラーを組み合わせて治療する必要があります。
咬筋が発達しすぎている方には ボツリヌス菌毒素製剤で、咬筋の過剰は働きを止めてからフィラーを行ったほうがいいでしょう。

美しいと思われる顔の形は、何パターンかありますので、それに近づけるように注入します。

お顔に光を当てた時に綺麗に光が反射され、あるべきところに影ができるようにする、ということが大事です。

患者様は単にしわ、たるみを改善させる以上の美意識を持っていただく必要があります。

一方で術者の方は、自己満足にならないように注意が必要です。

この4Dは、一旦は素晴らしい方法論と考えられたのですが、すぐにその限界を露呈することになります。すなわち静止時の顔が良くなっても、笑った時や、話をしたときなどに違和感がある、という例が多発したためです。

その限界を踏まえて、5Dが考案されるようになりました。

●5D(4Dを踏まえた上で動きや機能の改善させる)
5Dというのは、米国を中心に2010年代後半から始まった考えた方で、4Dにおけるバランスや調和を踏まえた上で、さらに笑った時、喋った時の表情の美しさも考慮した注入方法です。

どうしてこのような考え方が始まったかというと、例えばボツリヌス菌毒素製剤で、表情筋の動きを止めてしまえば理論的には表情じわはできないでしょう。しかし、顔の動きが止まってしまっては、笑ったときに不自然としか言いようがない仕上がりとなるでしょう。ここ数年、ボトックスによる過剰な注入が目立った結果、5Dの考え方が導入されたのは、必然と言えるでしょう。

特に重視されるのは笑顔で、米国では術前写真に笑った顔を残しておき、それを改善させるのが当たり前となっています。

ボツリヌス菌毒素製剤の過量な注入は、自然な表情を消してしまうので、ボツリヌス菌毒素製剤の使用は控えめになっているのが5Dの考え方です。
ボツリヌス菌毒素製剤はよくない、使わないというのではなく、適正使用を行う、ということです。

ボツリヌス菌毒素製剤に関しても近年、米国ではneuromodulator (神経調整薬)との名称が普及し、筋肉の働きを止める、潰す、というよりは、筋肉の過剰な働きを調整する薬剤と考えられるようになりました。

そもそも顔は上に引っ張る挙上筋と下に引く下制筋がちょうど良い均衡を保つことで、素晴らしい表情が生まれます。

加齢とともに挙上筋そのものの衰え、およびその軸となる支持組織の衰えとともに下制筋が優位となります。そこで、不自然に垂れた表情が作られてしまいます。

例えばですが、下制筋をボツリヌス菌毒素製剤でブロックするのが4Dの考えで、5Dでは挙上筋の働きを回復させるために挙上筋の深層にフィラーを打ち込み、挙上筋の働きを高めることで自然な若返りを目指す、というアプローチになります。(もちろん下制筋があまりに過剰な場合は、神経調整薬も併用します)。

当院では4D、5Dの治療法を推奨しております。