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TOP / 美容コラム / 【薄毛/AGA治療】フィナステリドの真実を解説します。
2023年06月26日

【薄毛/AGA治療】フィナステリドの真実を解説します。

AGAという言葉、最近CMや広告でよく見かけますよね。AGA専門クリニック、なんてものもよく目にするかと思います。AGA(男性型脱毛症)の治療薬としてまず最初に挙がるのが、フィナステリドとミノキシジルです。

ミノキシジルについてはコチラで紹介しております。是非こちらもあわせてご覧ください。

そんなAGA治療のゴールドスタンダードであるフィナステリドについて、皆さんはどの程度ご存じでしょうか?よく聞く副作用は本当に起こるのか?効き目はあるのか?など、今回の記事ではフィナステリドの全貌を解き明かしていきます。

AGAかも…?とお悩みの方は、まずこの記事を読んで、ぜひ治療選択の参考にしてください。

フィナステリドとは?

そもそもAGA(男性型脱毛症)とは、毛包の毛穴周囲において、男性ホルモンであるテストステロンがジヒドロテストステロンという物質に変換され(=活性化され)毛包を攻撃することをきっかけとして発症します。
このテストステロンは5α還元酵素(5αリダクターゼ)と結合することでジヒドロテストステロンへ変換されてしまいます。
そして、この5α還元酵素の働きを阻害するのが、フィナステリドなのです。

つまり、
①フィナステリドを服用する
②男性ホルモンであるテストステロンがジヒドロテストステロンへ変換されない(活性型にならない)
③毛包が攻撃されない
④AGAが停止し、改善する
というメカニズムなのです。

フィナステリドはもともとAGAの治療薬ではなく、前立腺肥大の治療薬でもあります。
男性高齢者において前立腺肥大の発症頻度は非常に高く、また発症したら基本的には薬を飲み続けるため、「世界で最も処方されてる薬の一つ」と言われるほど広く使われています。

フィナステリドの副作用

前述のとおりフィナステリドは広く使われており、世界で最も処方されている薬の一つがフィナステリドだとも言われています。いるため、副作用についても非常に多くのデータがあります。もちろん副作用についても報告されていますので、今回はフィナステリドの副作用としてよく聞く症状について真偽を紐解いていきます。

肝障害について

フィナステリドと検索すると、「肝障害」と出てきます。調べると怖いことばかり書いてありますよね。
ただフィナステリドの副作用として、肝障害が出現する頻度は滅多にありません。(もちろん注意は必要です)
そもそも副作用としての肝障害は、非常に多くの薬で報告されています。風邪薬や痛み止め、抗生物質など皆さんの身近にある薬でもごく低頻度の副作用として報告されており、フィナステリドはさらに発症頻度の低い薬です。もちろん注意は必要ですが、フィナステリドだから特別注意しなくてはいけないというものではありません。

糖尿病について

肝障害よりも注意すべき副作用といえば、糖尿病です。フィナステリド服用により、糖尿病の発症頻度がほんの少し高くなることが報告されています。
これは何万人というデータを解析した結果判明したことですが、一つ注意点があります。それは、「この報告は前立腺肥大の治療や予防をしている高齢者でのデータ」ということです。

前立腺肥大の治療・予防では、基本的に高齢者が、フィナステリドを1 日5mg服用します。しかしAGAでは、通常1日1mgまでです。
したがって、「5倍量を高齢者が服用した場合、わずかに糖尿病の発症リスクが高まる」という点は統計的に証明されていますが、医師個人としては「1日1mg服用であればほとんど影響はない」と感じています。

抑うつ状態

たまにニュースなどで、「フィナステリドを飲んでいる芸能人がうつを発症した」と報じられることがあります。そのため「フィナステリドを飲んでいるとうつになる」と誤解される方がいらっしゃいますが、これは解釈の仕方によるものではないでしょうか。

たしかにフィナステリドは「前立腺治療患者において、抑うつ状態をやや強める」ということが報告されています。
※抑うつ状態…うつ病と異なり、「気分が落ち込むが、うつ病とまでは診断されない」という状態のこと。

ただフィナステリドは前述の通り、世界でも日本でも服用者が非常に多い薬であり、そのほとんどは前立腺肥大の治療として1日5mgを服用しています。「AGAの治療として若年層が1日1mgを服用しても抑うつ傾向にはほぼ影響なし」、というのが医師個人の見解です。

そもそも1日5mgを高齢者が服用したとしても、「抑うつ状態になる・抑うつ状態を強めるリスクがやや高まる」という程度ですので、フィナステリドを飲む=うつを発症する、というわけではありません。

実際には、5mgを服用している一部の有名な方がうつを発症すると目立ってしまい、発症していないその他大勢の服用者が目立たないだけ…というのが真相ではないでしょうか。

男性機能障害、性欲低下

有名なフィナステリドの副作用に、男性機能障害・ 性欲低下があります。ただ実は、統計的に証明されていない副作用なんです。

「フィナステリドを飲むと、男性機能が低下したり性欲が低下したりする」
そんな話がよく言われますが、真相の一つは気分の問題、それから加齢です。
男性機能や性欲は加齢とともに当然低下しますので、フィナステリドを飲んでいても飲んでいなくても定価していき、その頻度や程度は、統計的には同じという風に言われています。

では男性機能の低下・性欲の低下はまったく気にしなくて良いのでしょうか?
統計的には問題ないのですが、医師個人の印象としては、まったく問題ないと言い切るのは若干疑問が残ります。フィナステリドは男性ホルモンの活性化(ジヒドロテストステロンへの変化)を阻害しますし、フィナステリドの類似薬であるデュタステリドは「精液を減少させる」ということが報告されています。
したがって、「フィナステリドは男性機能・性欲に全く影響を与えない!」と断言するのは難しいと思います。
例えば妊活中の男性であれば、バランスを考え、服用を控えた方がベターだと考えています。

初期脱毛

初期脱毛とは、AGA治療薬服用初期に起こる、髪の毛が自然と抜けていく現象のことです。
フィナステリドの副作用を検索すると初期脱毛がたまにヒットしますが、これは別のAGA治療薬(ミノキシジル)の副作用であり、フィナステリドでは起こらないのでご安心ください。

効果について

フィナステリドは90%以上の人に効果的!
などいろいろと良い報告が沢山あります。ですがこの「効果」という解釈に少し注意いただきたいのです。
医学的な資料における「効果あり」には、「薄毛の進行が止まった状態」も含まれます。AGAとは放っておくとどんどん進行しますので、進行が止まった=フィナステリドが効いている、と製薬会社の効果測定では解釈されているのです。したがって毛が増えていなくても、医学的には「効果あり」と判定される点に注意してください。本記事ではこれ以降、「効果がある」=「目で見て薄毛が改善していること」という意味で使っていきますね。

では実際、フィナステリドは効果があるのでしょうか?

効果があるタイプ

実は、フィナステリドの効果には「生え際が後退しているかどうか」が大きく影響します。
まず、①生え際が後退せず頭頂部が薄くなってくるタイプ
②生え際が後退せず、かつ前頭部が全体的に薄くなるタイプ(いわゆるバーコード型)
上記2つのパターンである場合、フィナステリドが非常に有効です。
少なくとも6割、論文によっては8割程度の方で効果ありと報告されています。またこのタイプの場合は、1年フィナステリドを飲み続けて髪が増えていき、二年目で更に増えることもあります。したがって生え際の後退がない方の場合、フィナステリドが絶対的なファーストチョイスであり、飲み続けることをおすすめしています。

効果が出にくいタイプ

逆に生え際が後退してくるタイプではどうでしょうか?世界的にも最も多いタイプですが、こちらは実はあまり効果を示しません。
もちろん服用によりAGAの進行は止まりますが、髪が増える、とまでは改善しない傾向にあります。髪の増える人が4~5割程度、効果の低い論文では36%程度というデータもあるくらいです。

フィナステリドは、どのタイプのAGAであれAGAの進行をほぼ確実に止めます。
ですが生え際が後退するタイプの場合、髪が増えるかどうかは五分五分程度であるため、ミノキシジルの付け薬やHARG療法を併用した方が早く、より確実に治療ができます。

よくある疑問

Q:フィナステリドの服用を辞めたら、また毛が抜けてしまうのでしょうか?
A:はい、抜けはじめます。
フィナステリドは毛を増やすこともありますが、あくまで「進行を止める」薬です。したがって飲むのを辞めた場合、1年ほどをかけて飲まなかった場合に到達していたであろう状態になるのです。ただ、数日飲み忘れたからといってすぐに毛が抜けるわけではありません。

Q:フィナステリドの服用を中止する場合は、医師に相談した方がいいですか?
A:実は色んな方がいらっしゃいます。結婚したら中止すると決めている方、退職したら中止すると思っている方もいます。タイミングは人それぞれですが、相談していただいた方がもちろんベターです。基本的にはずっと飲み 続ける方が多い印象ですね。

Q:フィナステリド服用中は、定期的に採血などを行った方がいいでしょうか?治療は慎重に行うべきですか?
A:年に1回程度、会社の検診などを受けていればそれ以外は必須ではありません。
ただ、肝障害がある人・肝機能が心配な人は、年に1回程度採血することもあります。それ以外にも、副作用の予防という観点で定期的に採血するクリニックもあります。

Q:フィナステリドを服用する時間(タイミング)は、効果に影響ありますか?
A:ありません。フィナステリドは朝でも夜でも、また食前でも食後でも、あまり効果は変わりません。ただ血中温度を安定させるために、1日のなかで決まった時間に飲むのがおすすめです。

Q:治療が終わった後、再発して再治療になるということはあるのでしょうか?
A:AGAの治療に「終わり」がそもそもないのです。フィナステリドの服用をやめると毛は抜けはじめてしまうので、治療をずっと続ける方も多いです。
しかしフィナステリドを1回中断したあと、また飲み始める方もいらっしゃいます。ずっと飲み続けなければならない、という点に抵抗を覚える方がいるのも事実ですが、毛が生えるかどうかはともかく、AGA治療で欠かせない薬であることもまた事実です。

まとめ

いかがでしたか?
医師個人としては、フィナステリドは総合的に見て副作用も少ない上、AGAの進行をほぼ確実に止めるので、良い薬だと思っています。
(副作用は万が一起こることもありますので、異変があればすぐに医師に相談してくださいね。)

はなふさ医院ではAGA治療に関して、豊富な治療実績があります。
AGAかも?ちょっと髪が薄くなり始めたかも?遺伝的にAGAなので将来が心配…など、ぜひお悩みを聞かせてください。
あなたのお悩みに沿った治療を提案させていただきます。

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関連動画

【医師解説】フィナステリドの真実【AGA治療】【薄毛】

監修医師紹介

院長
花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)
経歴
  • 平成18年3月  東京大学医学部医学科卒
  • 平成18年4月  癌研究会有明病院(初期研修医)
  • 平成19年4月  東京大学医学部附属病院(初期研修医)
  • 平成20年4月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(専門研修医)
  • 平成20年7月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(助教)
  • 平成20年12月  NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
  • 平成22年7月  東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
  • 平成23年7月  三鷹はなふさ皮膚科開設
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