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2019年03月04日

汗はなぜ臭う?汗の種類とにおい

汗はにおいの原因になってしまうと思われがちですが、実は汗自体ににおいはそれほどないのです。
ではなぜ、不快なにおいを発するようになってしまうのか、その原因や汗の種類などをご紹介します。

【人はなぜ汗をかくのか】

外気温が上昇しているとき、激しい運動をしたとき、風邪をひいたときなど体温が高くなるような場面で発汗は行われます。
汗が皮膚の上で蒸発するとき、同時に熱が奪われていきます。これはいわば打ち水と同じ原理です。
人間は汗をかくことで体温を常に36-37℃に保つことができ、熱に弱い脳などの重要臓器を守っているのです。

<汗をかく要因>

汗をかく要因には以下のものがあります。
・温熱性発汗
もっとも一般的な発汗で、先ほど紹介したように、夏の暑いときや激しく運動したときなどに急上昇した体温を下げる役割があります。

・精神性発汗
大勢の前で何かを発表するなど、緊張や強いストレスを感じたときにかく汗のことです。汗をかく部分は手や足の裏、わきの下、頭、顔面など限られた部分で、短時間に発汗するのが特徴です。

・味覚性発汗
辛いものを食べたときに主に顔や頭にかけてかく汗のことです。辛いものを食べたことによって発汗神経が刺激され、汗が出ると言われています。

・薬剤性発汗

【汗の種類】

汗を分泌する汗腺には、「エクリン腺」と「アポクリン線」の2種類があります。

・エクリン腺
ほぼ全身の皮膚にあるエクリン腺は体温を調節するための汗を出す腺です。エクリン腺からの汗は99%が水分と言われ、においや色はありません。
・アポクリン線
エクリン腺とは違い、脇の下や陰部など限られたところにしかありません。アポクリン線からの汗は体温調節ではなくフェロモンのような役割を担っていと言われていますので、水分の他に脂質やタンパク質などにおいのもととなる成分を多く含んでいます。
【汗がにおう原因】
汗の原料は血液から赤血球などを取り除いた「血漿(けっしょう)」と呼ばれる液体です。血漿には体にとって大切なミネラルが含まれているので、そのまま汗となって体外に排出されると、大量のミネラルを失うことになってしまいます。そのため、汗となって分泌される前にミネラルは体に再吸収され、残った水分と塩分が排出されるようになっています。

しかし、運動をあまりしない、夏は常にエアコンの効いた部屋にいるなど汗をかく機会が少ない人は汗腺の機能が鈍くなり、ミネラルなどが再吸収されることなく汗と一緒に出ていきます。するとネバネバした蒸発しにくい汗となります。このような質の悪い汗は雑菌が繁殖しやすくなり、においにつながるのです。

また、体臭の原因ともいわれているアポクリン線からの汗も、実は汗自体にほとんどにおいはありません。
ただし、汗の種類の部分で説明したようにアポクリン線から分泌される汗には水分以外にも脂質やタンパク質などの有機成分を含んでいます。これが皮膚表面の垢と混ざり、さらに皮膚の常在菌によって分解されると特有のにおいを発するのです。

【汗のにおい対策】

・汗をかく習慣をつける
余分なものを含まない、さらっとした良い汗をかくためには、汗をかく習慣を普段から身につけておく必要があります。
ジョギングなど適度な運動を行ったり、入浴時にしっかりと湯船につかったりすることで汗腺の機能を衰えさせないようにしましょう。

・汗を放置しない
細菌が繁殖し、特有のにおい物質を作り出すまでに1時間ほどかかると言われています。そのため、汗をかいたら放置せず、こまめに拭きとるようにしてください。
・洗いすぎない
入浴時、脇などにおいの気になる部分をゴシゴシ洗っていませんか?実は、洗いすぎや洗浄力の強い石鹸を使用することは、逆に皮脂の分泌を促進させることにつながります。さらに、肌の常在菌を必要以上に死滅させてしまうことになるので、皮膚のバリア機能が低下したり、病原性の強い細菌が増殖しやすくなります。

・生活習慣を改善する
揚げ物やスナック菓子などを食べ過ぎるなど、摂取する脂質の量が多くなると、皮脂の分泌量も増えてしまいます。油分の多いものを摂りすぎないことに加え、野菜や果物などを多めに摂取するといいでしょう。

また、疲労やストレスもにおいの原因になると言われています。疲労回復には質の良い睡眠を十分にとることが一番です。さらに、運動や趣味の時間をつくるなどストレスを発散することも意識するようにしてください。

・医療機関に相談する
セルフケアを行ってみたけど、どうしてもにおいが気になるという方は、美容皮膚科などの医療機関に相談する方法もあります。美容皮膚科では特に気になる方が多い脇汗に対してさまざまな治療を展開しています。その中でも、ボトックス注射(リンク)は、短時間で痛みの少ない施術なので、メスを入れることに抵抗がある方でも比較的受けやすい治療法です。

【まとめ】

汗自体ににおいがあると思っている方は多いと思いますが、実はかいたばかりの汗はほとんどにおいがありません。汗が皮膚の汚れと混ざり合うことで、それをエサに菌が繁殖したり、菌が分解臭を出したりすると、汗は臭ってしまうのです。

さらに、冷房やお風呂をシャワーで済ませてしまう現代人の生活スタイルは、汗腺の機能を低下させ、質の良い汗をかきにくくなっています。そのことも汗が臭ってしまう原因となりますので注意が必要です。

監修医師紹介

院長
花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)
経歴
  • 平成18年3月  東京大学医学部医学科卒
  • 平成18年4月  癌研究会有明病院(初期研修医)
  • 平成19年4月  東京大学医学部附属病院(初期研修医)
  • 平成20年4月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(専門研修医)
  • 平成20年7月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(助教)
  • 平成20年12月  NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
  • 平成22年7月  東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
  • 平成23年7月  三鷹はなふさ皮膚科開設
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