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2023年06月20日

皮膚科医が赤ら顔の最新治療法を解説。

「ちょっとしたことですぐに顔が赤くなる」
「りんごほっぺ」
「顔の一部だけ原因不明の赤みが取れない」
というお悩み、ありませんか?

近年このような症状、つまり「赤ら顔」で悩む方が非常に増えています。特にここ15年程、猛烈な勢いで赤ら顔の相談が増えておりますので、今回はその治療について詳しくお伝えしていきます。
赤ら顔かも?と思う方はぜひ参考にしてみてくださいね。

赤ら顔の種類

実は赤ら顔の原因や症状・詳しい分類はたくさんあり、赤ら顔の定義は一概には言えません。根本的な発症原因の詳細も謎に包まれたままです。

最も患者数の多い赤ら顔は、
・酒さ
・酒さ様皮膚炎
の2つです。
酒さや酒さ様皮膚炎の場合は、「ぷつぷつとしたできものがたくさんあるかどうか」が治療の分かれ道となります。

できものが沢山あるタイプの治療

ニキビのようなぷつぷつがたくさん目立つ場合は、 ニキビに使うような抗生物質の飲み薬やつけ薬が効果的です。これらは保険治療でも出してくれるクリニックが多くあります。
最近は、イベルメクチンクリームやメトロニダゾールゲルロゼックスゲル)といった治療薬もありますが、これらは保険適用ではなく、自由診療で処方されます。

できものがなく、赤みやほてりが目立つタイプの治療

ぷつぷつがなくて赤みが目立つタイプ・ほてりが目立つタイプの場合、抗生物質の治療があまり効きません。このタイプでは、一日の中で一時的に顔が赤くなるケースもあれば、一日中ずーっと赤いケースもあり、いずれも酒さの一期と呼ばれる段階です。
この段階では抗生物質がほぼ無効なので、ミルバソクリームを用います。アドレナリン α2受容体作動薬であり、血管を収縮させ赤ら顔を目立たせなくする作用があります。欧米では最も有効といわれていますが、日本では自費診療となります。

その他の治療

つける薬だけでは良くならない方もいらっしゃいます。その場合、レーザー治療やフォト治療を行います。
レーザー治療のなかで一番有名なのは、パルスダイレーザーと言う、Vビームの一種です。
当てることで拡張した血管にレーザーが影響し、中の血管を作っている細胞を痛めつけるために、末梢の拡張した血管を収縮させます。
一時的に内出血・かさぶたになることはありますが、長期にわたる肌へのダメージはありません。極端に強く照射すると傷跡になる可能性はありますが、一般的にはそういうことはありません。

当院でおすすめしているもう一つの治療方法が、IPLというフォト治療です。効果の程はVビームの類と同様ですが、副作用がVビームよりもやや少ない傾向にあり、手軽に治療を受けていただけます。
IPLの場合は2~4週間に1回のペースで照射し、合計6~10回程度の施術を重ねる必要があります。中には3回程照射しただけで、赤みが引く方もいらっしゃいます。

よくある質問

Q:辛い食べ物やアルコールが好きなのですが、赤ら顔を悪化させないためには控えた方が良いのでしょうか?
A:おっしゃる通りです。辛い食べ物や熱い食べ物はもちろん一時的に赤ら顔を悪化させますし、長期的に見ても良くないといわれています。そのほか、お酒はもちろん、コーヒーなどの刺激物も控えた方が良いです。悪化させる要因を日常生活から取り除いていくのが大事だと言われています。

Q:辛い物やお酒など、酒さを悪化させる食べ物が好きだった場合は控えるとストレスになる気がします。
A:患者様の声を聞いていると、「赤ら顔になるとわかってくると、だんだん嫌いになってくる」とおっしゃる方が多いです。「お酒が大好きだったけど、酒さを発症して以来お酒を飲まなくなりました」という方も多いです。

Q:酒さを悪化させる飲食物を控えたら、酒さは良くなるんでしょうか?
A:はい。酒さは慢性疾患ですので、酒さを悪化させない生活習慣に、自分の生活を合わせていくしかありません。原因となっている飲食物を生活から除去していくことで、徐々に症状が安定してくることが多いです。

Q:酒さを悪化させる原因は、飲食物だけですか?
A:食べ物だけではありません。ほかにも紫外線や温度差、熱いお風呂などが原因になっている場合が多いので、多いですがそれらを生活から取り除くことが重要です。

Q:レーザーなどは怖いので、赤ら顔を治療以外で治す方法はないですか
A:やはり生活習慣が大切です。
まず日焼けを絶対避けてください。紫外線を浴びると必ずと言っていいほど赤ら顔は悪化しますので、きちんと日焼け止めクリームをつけることが大切です。
それから化粧品の刺激を極力避け、低刺激のものを選ぶことも大切です。何を使っても合わないように感じると思いますが、適切に保湿することが大事だと言われています。
最後に、酒さの方は、ある意味超敏感肌の状態になっているため、洗顔石鹸の選び方も大事です。酒さの方は、脂性肌の方以外は固形石鹸を使わない方がいいと思います。

Q:緊張して顔が真っ赤になるのも赤ら顔と関係がありますか?
A:緊張して顔が真っ赤になったり、動揺した時に顔が真っ赤になったりする=酒さというわけではありません。
ただ酒さの方に話を聞くと、やはり子どもの頃から顔が赤くなりやすかったなど困った経験をお持ちの方が多いです。
憶測ですが、幼少の頃から酒さになりやすい体質のようなものがあり、何かをきっかけに発症しているという可能性も考えられます。
そのため子どもの時から顔が赤くなりやすい人は注意した方が良いと思われます。

Q:ND:YAGレーザーってどうですか?
ND:YAGレーザーは血管病変に対してよく使用されます。日本でもよく使うため聞き覚えのある方もいらっしゃると思います。
ただ、このND:YAGレーザーはあまり推奨されていません。理由は、傷跡になるリスクが高いためです。
パルスダイレーザーを試したけれど十分改善しない・合わない場合に、次の選択肢としてND:YAGレーザーの使用を検討するのは良いと思います。ですが、 安全性の面でやや若干問題がありますので、最初の選択肢としてはあまりおすすめしません。

まとめ

いかがでしたか?
今回は、酒さ・赤ら顔の治療を中心に解説しました。
近年、赤ら顔の方が非常に増えています。お困りの方、お悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。

酒さ治療

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【酒さ】赤ら顔の最新治療法を教えます!【保険適用?】【セルフケア方法】

監修医師紹介

院長
花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)
経歴
  • 平成18年3月  東京大学医学部医学科卒
  • 平成18年4月  癌研究会有明病院(初期研修医)
  • 平成19年4月  東京大学医学部附属病院(初期研修医)
  • 平成20年4月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(専門研修医)
  • 平成20年7月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(助教)
  • 平成20年12月  NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
  • 平成22年7月  東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
  • 平成23年7月  三鷹はなふさ皮膚科開設
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