閉じる
ご予約はこちら
HANAFUSA BEAUTY CLINIC SITE
Youtube Instagram TikTok
美容コラム
Column
TOP / 美容コラム / 放っておくと危険?粉瘤と、ニキビやできものとの違いを徹底解説
2023年05月29日

放っておくと危険?粉瘤と、ニキビやできものとの違いを徹底解説

あまり聞き馴染みのない「粉瘤」という病気について、皆さんご存じでしょうか?
ニキビと間違えやすく、またぷっくりと腫れるため中身を押し出してしまいがちな病気。
痛みを伴うこともあり、個人の努力では治癒しづらい疾患です。

今回はそんな厄介な「粉瘤」について、詳しくお伝えしていきます。
あなたの肌トラブル、もしかしたら粉瘤かもしれません。是非参考にしてみてください。

粉瘤とは

実は粉瘤について、明確な定義はありません。
一般的に、表皮嚢腫や 脂腺嚢腫症など、複数の似た症状の病気をまとめて「粉瘤」と呼んでいます。
いずれも袋状のものが皮膚に形成され、中に角質や皮脂などが溜まってしまう病気です。

今回は 代表的な粉瘤である表皮嚢腫について解説していきます。

粉瘤(表皮嚢腫)ができる原因

毛穴表面に小さなくぼみができると、角質が溜まります。
その角質が徐々に大きくなって、袋状のできもの(表皮嚢腫)ができるという仕組みです。

したがって、できものの内側の壁は皮膚に似た成分であり、中には垢が溜まっているということになります。
皮膚がひっくり返ったようにも見えますね。

粉瘤(表皮嚢腫)の症状

表皮嚢腫の場合、中心付近にもともとの毛穴が黒い点(※写真黒丸部分)として見えます。これを開口部といい、そのその周りに塊(結節※写真赤丸部分)ができるのが特徴です。

ニキビと粉瘤の違い

ニキビとは毛穴に皮脂が溜まったものを指します。
対して粉瘤とは、角質が溜まったものです。
毛穴に何かが溜まっているという点では似ていますが、ニキビが粉瘤に転じる・または粉瘤がニキビに転じるということはなく、あくまで似ているだけで明確に違う病気なのです。

見分け方①数

ニキビは基本的に、一つの部位にいくつものニキビができます。例えば頬に一つだけニキビがポツンとできることもありますが、基本的には頬に何箇所もできます。また、白いニキビもあれば黒いニキビもあり、ニキビ跡もある、いわば複数の状態のニキビが混在する傾向にあります。
それに対して粉瘤の場合、まとまって何個もできることは基本的にありません。大体は一つや2つ、せいぜい3つくらいが体のあちこちにできるという特徴があります。

見分け方②サイズ

もう一つの特徴として、粉瘤はニキビよりも一 つ一つが大きいことが特徴です。
サイズは様々ですが、一般的にはニキビよりも 大きいものが多い傾向にあります。

見分け方③経過

最も大きな違いは、経過の仕方です。
ニキビは基本的に数日~数週間で症状が進行しますが、粉瘤は 数ヶ月、数年をかけて大きくなっていきます。粉瘤がいきなり皮膚の中で破裂してしまった場合、いわゆる炎症性粉瘤になってしまった場合は、粉瘤自体が急速に腫れて大きくなります。その場合は、「急にでき ちゃった」と感じることもあります。
しかし、炎症性粉瘤の場合でも、元々はそこに炎症を起こしていない粉瘤がしこりとしてあったはずです。それ が破裂することによって急速に大きくなった印象を持っているだけなので、やはり粉瘤自体の時間経過はニキビよりもずっと長いのです。

他の疾患との違い

その他粉瘤と区別したほうがいい病気の一つに、脂肪腫があります。


成熟した脂肪が腫瘍化し、大きくなる病気です。脂肪腫は粉瘤よりも深い脂肪層に発症し、膨らんだ部分が柔らかいことが特徴です。
見た目は似ていますが、医師であれば診たり触ったりすると区別ができます。

それから皮膚繊維腫という良性腫瘍の一種も粉瘤と似ています。

真皮のレベルに異常があり、硬い コラーゲンがたくさん形成されてしまう病気であり、医師であっても粉瘤と間違えることがある疾患です。
一般的に皮膚繊維腫とは、 弾性硬で表面が硬く、特に日本人の場合は色素沈着により褐色になりやすい特徴があります。また、粉瘤で見られるような開口部(もともと毛穴だった、黒い穴)がないことも特徴の一つです。

注意して見ると区別ができますが、素人の方の自己判断は結構危険です。「怪しいな」と思ったらぜひ皮膚科を受診してください。

放っておくとどうなる?

粉瘤と診断された場合、放っておいても良いのでしょうか?
皮膚科医としては、粉瘤は取っておいた方がいいと思います。
粉瘤は、時々破裂して炎症を起こすことがあります。炎症が起きてしまうと治療に難儀する場合もあり、数週間~数ヶ月の 治療が必要になる・大変な手術が必要になることもあります。なので、腫れる前に粉瘤を取っておいた方がいいでしょう。
他の病気と迷った場合にも、切除してきちんと診断をつけておきましょう。

しかしすでに粉瘤と 診断されていて、もう10年ぐらいも大きくもならないし 何も悪さしないわ、という場合であれば放っておくいうのも一つの方法ではあると思います。

いずれにせよ、粉瘤を疑った場合は一度皮膚科に相談し、治療法を皮膚科医と相談することをおすすめします。

関連動画

【粉瘤】放っておくとやばい!?ニキビやできものとの違い徹底解説

監修医師紹介

院長
花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)
経歴
  • 平成18年3月  東京大学医学部医学科卒
  • 平成18年4月  癌研究会有明病院(初期研修医)
  • 平成19年4月  東京大学医学部附属病院(初期研修医)
  • 平成20年4月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(専門研修医)
  • 平成20年7月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(助教)
  • 平成20年12月  NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
  • 平成22年7月  東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
  • 平成23年7月  三鷹はなふさ皮膚科開設
医師紹介へ

その他の記事

謹賀新年

あけましておめでとうございます。2023年は大変お世話になりありがとうございました。昨年は京都院、なんば院、渋谷院を新たに開業し、…

【肝斑・シミ】トラネキサム酸の真実を皮膚科専門医が徹底解説

美容目的でトラネキサム酸を服用している方、または名前だけは知っているという方は多いのではないでしょうか?皮膚科領域では肝斑の治療に…

【ニキビ治療】イソトレチノインについて皮膚科医が徹底解説

ニキビ治療、と調べると「イソトレチノイン」という薬が検索結果に出てきたことはありませんか? イソトレチノインはレチノイン酸の一種(…

【鼻の毛穴】いちご鼻の酒さや脂腺増殖症の可能性について、皮膚科医が解説

鼻の凸凹がたくさん目立っていて、毛穴の開きも目立っている方、いわゆるいちご鼻にお悩みの方も多いのではないでしょうか?実はそうした症…

【ニキビ/毛穴/酒さ】アゼライン酸は本当に最強なのか?皮膚科医が解説

今回の記事では、アゼライン酸の真実をお伝えしていきます。アゼライン酸はニキビ・酒さ・美白・毛穴とあらゆる症状に効果を示す、万能選手…

【AGA治療】ミノキシジルの真実を皮膚科医が解説

AGAという言葉、最近CMや広告でよく見かけますよね。AGA専門クリニック、なんてものも見かけます。そしてAGA(男性ホルモン型脱…