妊娠中に悪化するシミとその対策
妊娠中に悪化するシミとその対策
肝斑
女性ホルモンは肝斑の発症、悪化に大きな影響を与えていることが有名です。
女性ホルモンがどのように肝斑に影響するのかについての厳密なメカニズムは分かっていませんが、妊娠初期にエストロゲン、プロゲステロン、メラニン刺激ホルモンの血中濃度が上がる時期があり、その時期に肝斑が出現しやすい、ということがわかっています。未出産の女性ではエストロゲン、プロゲステロン、メラニン刺激ホルモンのレベルの上昇は見られませんが、肝斑病変部でエストロゲン受容体のレベルが上がっていることがわかっています。
またエストロゲンとプロゲステロンを含む経口避妊薬や前立腺癌治療で用いられる合成エストロゲンが肝斑を誘発することはよく知られています。
- ・日焼け止めクリームをきちんとつけましょう。紫外線は肝斑の重要な発症因子、増悪因子です。SPF30以上であれば理想的です。室内にいる時も紫外線に注意するといいでしょう。
- ・クレンジングや保湿クリームはなるべく刺激の少ないものにしましょう。それで済むような化粧を心がけましょう。
- ・薄化粧を心がけましょう。化粧をする時もなるべく肌をこすらないようにしましょう。
- ・石鹸もなるべくマイルドなものを使いましょう。
- ・香料は一般的に刺激になることが多いです。香りの強い石鹸やボディーソープは控えるようにしましょう。
雀卵斑
雀卵斑(そばかす)も妊娠の影響を受けます。妊娠中の女性ホルモンの増加に伴い、雀卵斑が濃くなる、または増えてくる場合があります。
これに関してはあまり予防方法が知られておらず、紫外線を避けるという程度かと思われます。出産が終わると、数ヶ月かけて元に戻ることが多いです。もし改善がなければレーザー治療を検討するといいでしょう。
色素沈着
妊娠に伴い、腋窩、乳輪、乳頭、外陰部の色素が濃くなることがよくあります。
こちらもあまり予防方法は知られていません。出産が終わるともと数ヶ月かけて戻ることが多いです。時間が経っても改善しない場合は、ハイドロキノンやトレチノインといった付け薬による治療を行います。
脂漏性角化症
妊娠中に脂漏性角化症が増えやすいことが知られています。エストロゲンの影響と言われています。
妊娠による脂漏性角化症の予防方法は知られていません。紫外線をなるべく避けるという程度でしょう。出産後も自然に改善するということはなく、治療が必要になることが多いです。
ホクロ
シミとは異なりますが、ホクロも妊娠に伴い濃くなると言われていますが、医学的に本当かはっきりしません。お腹、乳房のホクロは妊娠とともに大きくなっていくことはあります。妊娠中にホクロが悪性転化しやすい、とも言われていますが、現在ではそのようなことはないと否定されています。
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