お金をかけずに肝斑を消す方法
肝斑とは
肝斑とは、頬骨~目尻に沿ってできる薄茶色のシミです。
左右対称にできる・シミの境界線がはっきりしないことが特徴として挙げられます。
シミである以上メラニンの沈着が関係していますが、
・なぜメラニンがつくられ過ぎてしまうのか
・排出されないのか
など、はっきりとした発症原因やメカニズムは判明していません。現時点で判明している以下の内容から、女性ホルモンとの関係性が示唆されています。
・女性ホルモン量が乱れる30代後半~50歳くらいの女性で多く発症する ・50歳以降は加齢とともに発症率が低下する ・妊娠やピルの服用により発症または悪化することが多い
肝斑と他のシミとの違い
参考として、他のシミの特徴を列挙します。
ただし同一箇所に複数のシミが混在することもありますので、医療機関で診断してもらった方が安全です。
雀卵斑(そばかす)
□粒状、左右対称がほとんど
□思春期頃に一番目立つ
□肝斑との鑑別が難しい
□最初から鼻の上、まぶたにもシミがあることが肝斑との鑑別点
□春から初夏に色調が濃くなることが多い
対称性真皮メラノサイトーシス
□真皮に色素沈着と色素細胞が見られ、「アザ」と呼ばれることがある
□20歳前後に好発 □グレーがかかった色
□肝斑とよく似ており、混在していることもある
□まぶたにもできるところが肝斑と異なる
老人性色素斑
□シミの境界が明瞭
□炎症後色素沈着と同部位に併発することがある
□露光部にできやすいが左右対称ということはない
炎症後色素沈着
□境界がわかりにくい
□色ムラがある
□ニキビや傷など何らかの炎症を生じた部位に発生
□左右対称ではない
お金をかけずに肝斑を消す方法
表皮は何らかの刺激を受けると刺激情報をメラノサイト(色素細胞)に伝え、メラノサイトは細胞を守ろうとしてメラニンを生成します。
このメラニンが表皮に沈着するとシミになります。
メラノサイトがメラニンを作り続ける+新陳代謝のサイクルが遅くなるため、30代以降はシミが目立つようになるのです。 肝斑はシミの一つである以上、
①メラニンの無色化
②メラニンの生成抑制
のいずれかを達成すれば肝斑を消すことができます。この2つのゴールへアプローチする方法はいくつかありますが、自分でできる簡単な方法として次の4つをお勧めします。
ビタミンCを効率よく食べ物から摂取する
ビタミンCは黒いメラニンに直接アタックし、色を薄くする作用があります。その他にもメラニン自体の生成抑制・皮膚の細かい炎症を鎮静化・抗酸化作用など多くの作用が複合的に肌を修復してくれる優れモノです。
しかしビタミンCは水溶性物質であるため、肌や消化管から吸収されにくい・尿としてすぐに排出されてしまう・加熱調理では熱湯に溶け出してしまうなど、体内濃度を維持することが難しい物質です。
体の内側からは以下の方法での摂取がおすすめです。
・アセロラやキウイ(黄)などビタミンC含有量の高い食物を生のまま摂取
・ピーマンを加熱調理して摂取する(ピーマンのビタミンCは熱に強いため)
・ブロッコリーなど、ビタミンC含有量の高い食品を電子レンジで調理する
・サプリメントで摂取
ただし、ビタミンCには胃粘膜の刺激作用があります。日本においてビタミンCの一日摂取上限は設定されていませんが、一度に大量のビタミンCを摂取すると吐き気・胃痛などの症状が出てしまうので注意してください。
【ビタミンCを含む食品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 | 含有量 |
---|---|
アセロラ(酸味種) | 1700㎎ |
アセロラ(甘味種) | 800㎎ |
赤ピーマン(加熱調理後) | 180㎎ |
キウイフルーツ(黄肉種) | 140㎎ |
ブロッコリー(電子レンジ調理後) | 140㎎ |
レモン | 100㎎ |
青ピーマン(電子レンジ調理後) | 140㎎ |
いちご | 62㎎ |
ネーブルオレンジ | 60㎎ |
グレープフルーツジュース(濃縮還元) | 53㎎ |
ゆず果汁 | 40㎎ |
日焼けを避ける
紫外線は肌のキメを乱すだけでなく、メラニンの生成を促進します。新しいシミの生成予防・今あるシミの新陳代謝を促す為にも、日焼けは厳禁です。
天気・気候にかかわらず紫外線は降り注ぎますので、肝斑に悩む方であれば日焼け止めを通年使用しましょう。日傘・マスク・UVカット衣服などの使用のみでは、照り返しによる紫外線暴露を防げません。日焼け止めのこまめな塗り直し、日傘などの併用が必要です。
頬を擦らないようにする
肌は触れること自体が刺激となり、新たなメラニンを生成させます。洗顔時に肌をこする・洗顔後タオルを滑らせて拭く・ふき取り化粧水・化粧水を叩きこむ・メイク中に肌を引っ張る、など全てが刺激として伝達されます。
肌の上で何かを滑らせたり、一時的に凹むほど肌を押すことは極力避けましょう。
また、髪の毛が触れることも刺激となりますので注意してください。
安いビタミンCローションを購入する
前述のとおり、ビタミンCはメラニンの無色化に有効です。その為体の内側・外側の両方からアプローチすることで効率よくメラニンを無色化できます。
最近はドラッグストアでもビタミンC誘導体を含むローションが安価で購入できます。ビタミンC誘導体は濃度が高くなればなるほどシミへの有効性は高くなりますが、皮膚への刺激も大きくなります。皮膚をいたずらに刺激してしまうと炎症が起こり、別のシミも発生しやすくなりますので、刺激が少なく保湿効果もあるような商品をたっぷり使うことがおすすめです。
判断基準の一つとして「ビタミンC誘導体を含有している商品」「低刺激と謳っている商品」「グリチルリチン酸を含有している商品」などが上げられます。
まとめ
いかがでしたか? 肝斑は一朝一夕には薄くなりません。即効性を求めて高価な美容液を使用したり、サプリを服用したり、つい触ってしまったり…間違ったケアを続けてしまうと逆効果になってしまいます。また一時的に薄くなっても刺激が多ければすぐに濃くなってしまい、いたちごっこになりかねないのです。
時間とお金を有効に使う為にも、まずは落ち着いて、正しい治療を地道に続けましょう。
それが一番の近道なのです。
それでも改善しない場合、どうぞはなふさ皮膚科へご相談ください。最適な治療をご提供いたします。