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マイクロニードル治療の適応

Adaptation Of The Microneedle Treatment
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マイクロニードル治療の適応

美容医療において、非侵襲敵地治療、侵襲的治療を通じて、体の再生機序を刺激する方法は、現在高い人気を得ています。
レーザー、ピーリング、削皮術といった方法は、表皮の部分的な除去に基づいており、新しい皮膚の成長を誘発して瘢痕化や老化した組織を再生させます。
経験により、皮膚のより深い層を傷つけることは、治癒時間の長期化、真皮乳頭の線維形成、過剰な瘢痕、感光性の増加、異常色素沈着のリスクを伴うことが示されました。
これらの問題により、角質層と表皮性バリア機能を保持する一方で、皮膚のコラーゲン新生を誘発させる非切除的治療の開発が求められるようになり、これを目的としたエネルギー使用(非切除型レーザー、フラクショナルレーザー、高強度パルス光)は、若干の熱傷と壊死を引き起こしています。
一方で、経皮コラーゲン誘導のためのマイクロニードルの使用は、純粋な機械的方法で、乳頭状および網様真皮に達し、マイクロニードル療法は微小な針でターゲットとなる皮膚を貫通させる方法であり、皮膚は個々の微病変を損傷として認め、瘢痕を残さず創傷癒合します。
この損傷段階は、トランスフォーミング増殖因子(TGB-β3)の存在が特徴であり、免疫組織学的に明らかにすることができ、非炎症性創傷癒合の結果となります。
コラーゲン誘発療法としても知られるマイクロニードル(MN)の当初の概念は、1995年に遡り、Orentreich 兄弟が、サブシジョン、陥没した皮膚瘢痕の創傷癒合を誘発するための皮下ニードル使用の概念を提唱し、2006年には、Desmond Fernandes 医師が、最初のマイクロニードル製品を開発しました。
これは、今日のダーマローラーDermarollerR (Dermaroller Deutschland GmbH, Wolfenbuettel, Germany)となりました。 そしてマイクロニードルは、今や臨床現場で様々な使用方法が見つかっています。
ローラー機器は、前後に回転する円筒状のヘッドからなる道具であり、真皮乳頭に何千もの小孔を作り、速度とニードルの貫通の深さを簡単に調整できるペン形の電子機器があります。

ダーマペンについて

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マイクロニードルに起因する、皮膚への特有な非侵襲性貫通は、局所製品または高周波などの治療を、周囲の構造に不必要な損傷を与えずに届ける役割もあります。
多血小板血漿(PRP)やヒト幹細胞調整培地(human stem cell conditioned medium)(hESC-EPC)といった製品は、経皮コラーゲン誘導の機序を強化するために使用されている一方で、このマイクロニードルにより開けられた小孔を利用し、薬剤そのものの効果を強化するためにマイクロニードルと併用されている製品もあります(例えば、トラネキサム酸(TA)やミノキシジル)。
フラクショナルマイクロニードル高周波(FMRF)機器は高周波の伝達により、針の先以外は絶縁体で覆われたマイクロニードル間で直接電流を発生させ、真皮に直接治療目的の熱傷を起こします。これが、二極式高周波が浅い部位に熱が派生し皮膚表面の熱傷を作ってしまうという問題を解決し、高エネルギーで起こる皮膚熱損傷を防ぎます。
これはマイクロニードルによる貫通を行った後に高周波を流すことが合理的です。
外傷、疾患または老化によって、皮膚が美的に劣化した時、マイクロニードルセラピーのように新しい皮膚の成長を促すトリガーは、治療に有益である場合があり、レーザーリサーフェイシングやディープピーリングと比較して、色素沈着変化または瘢痕のリスクがないという長所は、マイクロニードル治療は治療選択肢として有効なものとしています。
マイクロニードルは合併症率が低い単純な治療なので、臨床現場で容易に適用され、いくつかの適用が更に調査されたが、治療の性質上、十分な医学的エビデンスに基づくガイドラインは、現在はありません。
この論文では、単独あるいは、局所製品または高周波との併用によるマイクロニードルの効果を評価する、無作為比較試験、管理下臨床試験、前向き臨床治験を調査することで、現在のエビデンスのランクを調査しています。すべての報告書では、方法論的な強みと弱みが注意深く評価され、そしてそれらのデータは要約され、現在の根拠を精査し、不十分な根拠のうちどれが将来の研究で検討されるべきか討議されています。

マイクロニードルのメカニズム

マイクロニードルが作用するメカニズムを説明するための研究が動物とヒトで行われてきました。
萎縮性ニキビ瘢痕(ニキビ痕)における多数のマイクロチャネルの生成は、真皮の表層部でまとまったコラーゲン束を物理的に壊す一方で、同時に瘢痕の下に新しいコラーゲンとエラスチンの産生を誘発すると仮定されています。
表面的なシワの治療において、マイクロニードルは同様の機序により作用し、新しいコラーゲンの生成が既存のシワを埋め上昇させると考えられ、マイクロニードルによる大量の微損傷の生成は、真皮内でコラーゲンとエラスチンの合成と沈着において直接的な役割を果たす、さまざまな成長因子の放出を直接刺激します。
より具体的には、マイクロチャネル(超微小な孔)の作成は、微小表皮性損傷でコントロールされた皮膚損傷を誘発し、真皮性創傷癒合カスケード(炎症、増殖とリモデリング)を促進します。これにより、血小板由来成長因子、線維芽細胞成長因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子α&β(TGB-aおよびTGB-b)が放出され、新血管形成とコラーゲン新生は、線維芽細胞増殖と遊走に続発して起こります。
皮膚損傷後、フィブロネクチン網が形成され、コラーゲンIII型沈着のマトリックスができ、最終的にタイプI型コラーゲンに置き換えられ、この過程は数週間から数ヶ月の間に起こり、臨床的に皮膚が引き締まり、シワが軽減します。
I型コラーゲンの増加した遺伝子とタンパク質発現に加えて、グリコサミノグリカンと、血管内皮増殖因子、FGF-7、上皮成長因子などのさまざまな成長因子のアップレギュレーションもあります。
一連のマイクロニードル療法の1年後の組織学的分析に基づき、正常な格子構造での網様真皮のコラーゲン堆積の増加、弾性線維沈着の増加、表皮の肉厚化(顆粒層増殖)、正常な角質層と乳頭間の隆起が見られました。
ある研究で、Austとその共同研究者11は、皮膚の再生と瘢痕のない創傷癒合を促進するTGF-b3のアップレギュレーションを実証しました。TGF-b1とTGF-b2(後者は線維性瘢痕の原因となる)を上回る、TGT-b3のマイクロニードル治療後の変化率は、この処置が有益であることを説明する基本的な要素の一つであるといえるでしょう。

マイクロニードルによる処置

マイクロニードル療法は、処置部位によりますが10~20分程度の簡単な治療法です。患者は処置の前に、医師から想定される結果や反応の遅延、複数の環境の必要性についてなど説明、助言を受けなければいけません。
皮膚は、術前に、皮膚コラーゲン構造の再生を最大にするために1日2回ビタミンAとC製剤を少なくとも1ヵ月は摂取しておいた方がいいとも言われています。
ビタミンAは、表皮と真皮のすべての主要細胞の増殖と分化を制御する400~1000の遺伝子に影響し、ビタミンCは正常なコラーゲンの産生にとって不可欠であります。
処置は、45分~1時間、麻酔のクリームによる処置後行われ、消毒剤と食塩水で部位の準備をした後、皮膚を片手で引っ張り、直角に、もう片手で水平、斜位の各方向で、5回転します。
治療エンドポイントは、容易に制御できる均一なわずかな出血とされ、 施述後、部位を食塩水で濡らす、または、氷嚢を使用して患者を落ち着かせます。
その後、患者に、定期的に日焼け止めを使用し、太陽光からの保護対策をするよう助言し、処置は、患者の忍容性が高く、治療後の後遺症は、通常、2,3日間続く僅かな紅斑と浮腫以外はありません。
ダウンタイムはほとんどなく、患者は翌日には日頃の仕事を再開することができ、処置は3~8週間隔で施され、肌が望ましい結果を得るには、複数の環境が必要です。新しいコラーゲンは治療が終わってから約3~6ヶ月間生成され続けるので、最終結果は直ぐには現れません。

マイクロニードルの機器

単純なダーマローラーは、様々な改善を経て過去10年間で進化し、針長、ローラーの大きさ、オートメーションに基づく装置の各種組み合わせで現在の市場は急成長しました。
最も重要なものは、針長の多様性です。
先端の長さ対直径が13:1という高い比率であることは、良いニードルの重要なプロパティで、患者にそれぞれ選択されるニードルの長さは、マイクロニードルに対する適応次第です。
ニキビや他の瘢痕を定期的に治療するには、1.5~2mmの針長さが、通常使われ、マイクロニードルが老化した皮膚としわの治療処置として使用されるとき、 0.5mm~1.0mmの針長さが、通常推奨されます。針が長さ最高でも0.5mmのとき、処置は基本的に無痛であり、針の貫通が深くなるにつれて、より多くの痛みが感じられるようになるが、真皮と表皮の厚みによって決まります。
マイクロニードルの処置感覚の最小限のインターバルは、処置がされている適応と、使用しているダーマローラーの針長により、ニードルが長いほど、マイクロニードルの2つの処置間は長くなければならないし、1.5mmのダーマペンを使用するときには、少なくとも3週間の間隔を空けなければいけません。

皮膚科学におけるマイクロニードルの適用

ダーマペンは、その有用性の証拠をサポートしている多くの試験で、広範囲にわたる症状に使われてきました。ダーマペンは、ケミカルピーリング、血小板多血漿、高周波、サブシジョン、パンチエレベーション、レーザーなどの他の治療法との併用および単独で試験されました。通常、何らかのつけ薬ともに使用され、その製剤の浸透を強化します。

肌の若返り

マイクロニードルにより、古いコラーゲン線維は再組織化し、新しいコラーゲンを生成し、毛細血管による皮膚の引き締め効果を生みます。
El-Domyatiらは、2週間間隔での6回のマイクロニードルセッション後に、I、III、VII型コラーゲン、新しい合成コラーゲン、トロポエラスチンのレベルの、基準値からの有意な増加を観察し、この経皮コラーゲン誘導により、小じわとしわの軽減、毛穴サイズの縮小、柔軟性と弾力の増加が起こり、皮膚全体の外見が若々しくなります。
処置をビタミンC外用薬やトレチノインクリームと併用すると、効果は高められます。
そのほかマイクロニードルは、内皮前駆細胞調整培地に誘導されたヒト胚性幹細胞と併用され、シワと色素沈着の有意な軽減を示してきました。
フラクショナルマイクロニードル高周波は大型多施設治験で研究され、シワ軽減に効果的だと確認されています。

瘢痕

マイクロニードルの最も頻繁に使われる徴候は、顔の萎縮性ニキビ瘢痕(いわゆるニキビ痕、クレーター)です。多数の試験は、ケミカルピーリング、PRP、サブシジョン、などとの併用および単独で同一の治療を評価するために行われ、マイクロニードルは、ローリングおよびボックス型のニキビ痕により効果的で、アイスピック型瘢痕には効果が少ないことがわかりました。
マイクロニードルは、最小のダウンタイムですべての皮膚タイプに安全で、患部だけが処置される必要があり、炎症後色素沈着のリスクは極めて少ないです。しかしながら、最低4~6回のセッションが有意な改善のためには必要です。
術後の瘢痕に対して、タトゥーに使うニードルを使用して瘢痕を軽減したCamirandによって、初めて研究が行われました。それ以降、マイクロニードルは全ての手術痕に使用され、有効であることが確認され、Austらの16名の患者を対象にした研究により、マイクロニードルは、熱傷瘢痕さえも最大80%の軽減し、効果的であると発見されました。
真皮のコラーゲン・エラスチンマトリックスの正常化には1年かかるとされています。マイクロニードルは、水痘瘢痕と外傷後瘢痕のためにも効果的です。

尋常性ニキビ

フラクショナルマイクロニードル高周波の到来により、マイクロニードルの応用は、尋常性ニキビにも広がりました。
この高周波は直接脂腺を対象として、皮脂腺を破壊し、皮脂産生の減少を助け、ケラチノサイトの過剰増殖を減らすことも、知られています。

AGAと円形脱毛症

脱毛症のための頭皮へのマイクロニードル使用は、近年の進歩の1つです。ミノキシジル単独と比較し、併用の方が良好であると判明し、家庭用ダーマローラーは、ミノキシジルを使用している患者に処方され、より良い髪の成長が観察されました。しかしながら、近年の研究では、逆にマイクロニードル治療法を併用していない、ミノキシジル単独の方が、結果が良好であるとの報告もあります。マイクロニードルは、円形脱毛症に対し、局所トリアムシノロンアセトニド適応(ステロイド)と併用され、より良い効果が観察されています。

色素沈着(黒皮症と眼窩周囲黒皮症)

マイクロニードルは、様々な皮膚のライトニング薬剤(いわゆる美白剤)とケミカルピーリングと併用され、色素沈着病変、黒皮症ならびに眼窩周囲黒皮症を軽減することがわかっています。

諸状態

マイクロニードルの拡張応用は、皮膚線条、腋窩多汗、光老化の治療が含まれ、マイクロニードル高周波は、酒さとニキビ後の紅斑を有する患者にさえ使われ、良好な結果となりました。

薬の経皮的デリバリー

マイクロニードル技術は、皮膚への薬の浸透を高めるために、よく利用されてきました。
これは、in-vitro皮膚モデルで証明され、カルク化合物のような、比較的大きな分子の吸収が強化されたことが観察され、マイクロニードルは、経皮パッチと皮下ニードルの間で起こっている、両方の長所を得て、不利な点を除去しようという試みです。
マイクロニードルは、高分子バイオ医薬品(インシュリン、成長ホルモン、ヘパリンとアルブミンなど)、免疫生物学的製剤(B型肝炎、破傷風トキソイドとインフルエンザワクチンなど)、タンパク質、ペプチド、薬(例えばアスピリン、ミノキシジル、トレチノインとL‐アスコルビン酸)を含む、さまざまな薬の経皮デリバリーに使われています。マイクロニードルは、薬剤をより浸透させるため、マイクロポンプ、イオントフォレーゼと電気穿孔法などの他の高度な技術とも併用利用されています。

まとめ

皮膚科学の観点では、マイクロニードルは通常、上記の通り、ニキビ瘢痕と皮膚の若返り治療のためにトレチノインやビタミンCと併用され、ミノキシジルの浸透強化と男性型脱毛のためのPRPも良い適応です。マイクロニードルは、より効果的な光力学療法のため、5‐アミノレブリン酸の効果を高め、マイクロニードルは、光老化の治療のためにも使われています。

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