フラクショナルレーザーの歴史
フラクショナルレーザーの
歴史について
フラクショナルレーザーの開発から10年以上が経過しました。
フラクショナルレーザ(FT)によるリサーフェイシングという概念は、最初は植毛向けレーザーから生まれ、2003年にHuzairaらによって初めて記述されました。
FTを使用して、移植片の配置のために、小さい1mm の頭皮損傷を作ります。植毛向けのレーザー使用に関しては賛否両論があるが、レーザーの小さな損傷がすぐに治り、その傷跡は最小限であることは、すでに明らかです。これが、ウェルマン光医学センター(Wellman Center for Photomedicine)のMansteinらによる研究に繋がりました。
当初は、Mansteinらは、原初的なフラクショナルレーザー「マイクロスポット」の使用を、より広域を治療するリサーフェイシングあるいはIPL 機器の代替と評価していましたが、徐々にその効果、安全性が明らかになりました。
そして、Mansteinらは最初のfraxelatedレーザー装置システムを構築し、現在のフラクショナルレーザーの原型が完成しました。
美容皮膚科におけるフラクショナルレーザーの導入
美容皮膚科におけるフラクショナルレーザーは、レーザー手術を、切除レーザーリサーフェイシングの臨床的効果に近づけ、患者のダウンタイムおよび有害事象をより少なくする方法として開発されました。
簡潔に言えば、フラクショナルレーザーは跳躍病変(skip area)を何度も繰り返す皮膚に対する損傷パターンの産物であり、治癒するにつれて、肌のトーンとキメ、しわ、⿊皮症を含む色素の問題、そして、瘢痕、特にざ瘡と外傷性瘢痕における改善を促します。
2007 年に、Hantash らは新たな蒸散型フラクショナルCO2レーザーの臨床および組織学的結果を紹介しまし、これにより、蒸散型フラクショナルリサーフェイシングの時代が到来しました。
角質層が損なわれない非蒸散型フラクショナル治療と異なり、これらの切除型フラクショナル装置は、組織の全列を蒸発させます。フラクショナルリサーフェイシングによる皮膚組織の収縮は、少なくとも術後1 年間持続することが示されました。
近年、研究者は過形成性瘢痕、ケロイドと熱傷過形成性瘢痕の治療におけるフラクショナルレーザーの使用に注目しています。現在使用可能な機器は、損傷パターン、波⻑と強度を生じさせる方法が異なっています。
より専門的に言うと、これらの装置全ては、マイクロサーマルゾーン(MTZs)として知られている、皮膚に熱傷の小さい列を生じさせるものです。
これらのMTZs は、装置によって異なる。非蒸散型の真皮の損傷だけのものもあれば、蒸散型の表皮および真皮の損傷パターンを引き起こすものもあり、機器ごとにMTZs は、傷の直径と傷をつくる際に到達する深さにおいて、非常に異なります。一旦負傷すると、皮膚は非常に迅速な修復プロセスを開始します。
Manstein らや他の研究者が実施した研究により、フラクショナルレーザーに見られる修復美容皮膚科におけるフラクショナルレーザーは、レーザー手術を、切除レーザーリサーフェイシングの臨床的効果に近づけ、患者のダウンタイムおよび有害事象をより少なくする方法として開発されました。
簡潔に言えば、フラクショナルレーザーは跳躍病変(skip area)を何度も繰り返す皮膚に対する損傷パターンの産物であり、治癒するにつれて、肌のトーンとキメ、しわ、.皮症を含む色素の問題、そして、瘢痕、特にざ瘡と外傷性瘢痕における改善を促します。
2007 年に、Hantash らは新たな蒸散型フラクショナルCO2レーザーの臨床および組織学的結果を紹介しまし、これにより、蒸散型フラクショナルリサーフェイシングの時代が到来しました。
角質層が損なわれない非蒸散型フラクショナル治療と異なり、これらの切除型フラクショナル装置は、組織の全列を蒸発させます。フラクショナルリサーフェイシングによる皮膚組織の収縮は、少なくとも術後1 年間持続することが示されました。
近年、研究者は過形成性瘢痕、ケロイドと熱傷過形成性瘢痕の治療におけるフラクショナルレーザーの使用に注目しています。現在使用可能な機器は、損傷パターン、波.と強度を生じさせる方法が異なっています。
より専門的に言うと、これらの装置全ては、マイクロサーマルゾーン(MTZs)として知られている、皮膚に熱傷の小さい列を生じさせるものです。
これらのMTZs は、装置によって異なる。非蒸散型の真皮の損傷だけのものもあれば、蒸散型の表皮および真皮の損傷パターンを引き起こすものもあり、機器ごとにMTZs は、傷の直径と傷をつくる際に到達する深さにおいて、非常に異なります。一旦負傷すると、皮膚は非常に迅速な修復プロセスを開始します。
Manstein らや他の研究者が実施した研究により、フラクショナルレーザーに見られる修復メカニズムは、処置をした壊死組織の角質層への排出を通じて起こり、壊死組織は非常に短時間ではぎ落されることが分かっています。
このプロセスでは、悪化した皮膚の構成要素は、表皮に送られる老廃物の列に組み込まれており、これは壊死性表皮微小片(microscopic epidermal necrotic debris)(MENDs)として知られています。
MENDs は通常フラクショナルレーザーの関連用語で、フラクショナルレーザー治療後に特有です。急速な治癒プロセスは、周辺部の正常な皮膚あるいは未治療の皮膚のサポートを通して可能であり、これはフラクショナルレーザーに独特のもう一つのプロセスです。
前述のように、フラクショナルレーザーはいくつかの分類に分けられることが出来、最も簡単なものは、フラクショナルレーザー装置を蒸散型と非蒸散型への分類です。上皮に損傷が起こるものが蒸散型で、損傷が起こらないものは非蒸散型です。
この分類は、利用できる装置が少ししかなかった当時は、容易だったが、現在では特に蒸散型フラクショナルレーザー装置システムではもう少し分類が複雑です。
蒸散型フラクショナルレーザー装置システムは、レーザー波.に基づいてCO2、Er:YAG、イットリウム-スカンジウム-ガリウム-ガーネット(yttrium-scandium-gallium-garnet)(YSGG, 2790nm)に分類されます。
変化したことは、蒸散型フラクショナルレーザー装置システムがそれぞれ異なる光を発するということであり、「深い」と見なされる浸透の深さものや、「表面的」と見なされる浸透の深さがあります。
Geronemus や他の研究者によって提案されてきたのは、蒸散型フラクショナルレーザー装置システムを、表皮および真皮の損傷を750 ミクロン未満の深さで与えるレーザーを含む「マイクロ切蒸散型フラクショナルレーザー装置システム」と、皮膚の750 ミクロンを超える深さで損傷を与えるレーザーを含む「深層真皮蒸散型フラクショナルレーザー装置システム」に分類することでした。
現在使用されている非蒸散型フラクショナルレーザー
現在は、様々な種類の非蒸散型フラクショナルレーザーが利用可能であり、それぞれエネルギー送出、与えられる損傷パターンと強度において幾分異なります。
最初の商業的、非蒸散型フラクショナルレーザー装置は、フラクセル(Fraxel)として知られている非除去型フラクショナルレーザーでした(Solta Medical, Inc., Hayward,California) 。この最初の形では、⻘色の光導波路材料を使用し、機器が皮膚面と正確に接触をした時に感知し、レーザーが放出するように作られています。
その後フラクセル(Fraxel)機器は、今日我々が知っている動的フラクショナルレーザー(motion FT)になりました。
Fraxel 機器の会社は熟練したレーザー外科医との非常に印象的な臨床試験を後援し、この会社の努力と、非常に洗練された広報キャンペーンと消費者直結型(DTC)広告と合間って、フラクセルは急速に知られるようになりました。
非切除型であるフラクセルの最初の米国食品医薬品局(FDA)承認には、軟部組織の凝固、眼窩周囲のしわ治療、色素性病変、⿊皮症、皮膚表面リサーフェイシング、にきび跡、手術瘢痕のための使用が含まれました。文献上には、非蒸散フラクセル装置が、どの程度これらの症状に効くかについて書かれた例が多くあり、近年はTierney らによるフラクショナルレーザーの技術の報告書にまとめられました。
非切除型Fraxel 装置は、患者に最低限の不快感(すなわち痛み)を与え、一部の患者は、処置前に局所麻酔薬および処置中の強制的な空冷を必要とする可能性があります。
レーザーの結果生成されるMTZs とMENDs の存在は、非切除の1550nm レーザーとしては、この機器を使用して初めて明らかになりました。
臨床的観点から、大部分の患者は、紅斑と若干の浮腫が見られ、治療後最大48 時間続き、その後数日は皮膚落屑が生じます。Fraxel 装置とすべての非切除型フラクショナル装置で、通常、最終結果を達成するには複数回の治療が必要です。臨床的徴候の多くが所定の望ましい結果に到達するために、4〜6 回の治療が必要であると多くが主張しています。
次に市場に参入する非切除型FT 機器はAffirm(Cynosure, Westford, Massachusetts)と知られています。
このレーザーは、皮膚に望ましいレーザーリーサーフィングの結果を生むレンズのマイクロアレイを通してエネルギーを運ぶ1440nm フラクショナルレーザーでした。列になったレンズを通したこの光のデリバリーは、混合性超パルス(combined apex pulse)(CAP)技術として知られています。Weiss らの最初の研究では、Affirm は、しわ、瘢痕、例えば⿊皮症と太⽥⺟斑といった色素の問題など、様々な皮膚の問題の治療に効果的であると見られました。Affirm は眼窩周囲および口周囲しわと色素性病変の治療に対してFDA 承認を受けました。
ほとんどの患者はAffirm で3〜6回の治療を必要とします。有害事象には術後の紅斑と浮腫があり、通常24 時間以内に消失し、ほとんどの患者は、Affrim の施術に関連するダウンタイムは、あるとしても非常に少ないです。
Affirm 機器の進化した点は、1440nm に、肌の引き締めに有効な1320nm の光の第二次波⻑が追加されたことであり、「多重」レーザー治療装置として知られています。同一の光のパルス中に両方の波⻑が放出され、シワや瘢痕の治療により効果的にします。
非蒸散型フラクショナルレーザー装置は他にも多く利用可能です。これら全ては、前述した過去のレーザーと同様に作用し、非切除レーザーのエネルギーをピクセル化した列や列になったレンズを介して真皮に届け、MTZs やMENDs 生成します。これにより、望ましい臨床的なエンドポイントを得ます。これらの機器は時間を経て作用し、効果が現れるには通常複数回の治療を要します。
必要治療回数は機器の種類によって異なりますが、多くは、通常約4週の治療間隔で4〜6回以内の治療回数で効果が得られると見られています。
非蒸散型フラクショナルレーザー装置のダウンタイムは少ないとはいえ存在し、多くの患者は術後24〜48 時間に紅斑と浮腫を経験します。これらの機器の他の有害事象は、炎症後色素過剰(PIH)の可能性を除いて、ごくわずかのようです。PIH は、比較的褐色肌を持つ患者により頻繁に見られ、術前および術後の適切な処置が、感受性のある患者におけるPIHのリスクを最小限に留めます。瘢痕を含むその他の重度の有害事象は、非蒸散型フラクショナルレーザー装置に関してはまだ報告されていません。
現在使用されている蒸散型フラクショナルレーザー機器
当初、アブレイティブフラクショナルレーザー機器は、改修したコンピュータ・ソフトウェア・プログラム、縮小したスポットサイズ、点状の照射面が発現する走査式装置をもつ「通常の」CO2 機器またはEr:YAG 機器しかありませんでした。
導入されたこれらのうち最初の機器は、UltraPulse プラットフォームを活用したActive FX(Lumenis Aesthetic)であり、一部にはアブレイティブリサーフェイシングのゴールドスタンダードと考えられました。
ActiveFX UltraPulse はスポットサイズを1.2mm に縮小しており、表皮またはマイクロアブレーティブフラクショナルレーザーのエネルギーを送ります。
Active FX は、原型のコンピューター・パターン生成機(computer pattern generator)(CPG)のハンドピースを、最新の技術で活用し、通常のフラクショナルレーザーと同様に、点状に損傷パターンを与え、このように、Active FX は、レーザーにより点状穴が生成されるにつれて、皮膚の熱緩和時間が損なわれないことを、確かなものにしました(筆者注:即ち点状の穴を開けてもその熱が周囲に伝わり、周囲が火傷になることはない、という意味です。)
Active FX のFDA 承認には、しわ、小じわ(細い線と肌のきめの乱れなど)、不均一な色素沈着/異常変色の減少/除去、にきび瘢痕などの皮膚の症状が含まれます。
Active FX で治療を受けた患者の多くは、治療箇所によって、1 つから複数回の治療を受け、およそ3〜4日間のダウンタイムがあります。
Clementoni らの研究によって、臨床におけるActive FX の効果が示されました。Tan らは比較的褐色肌の個人を観察し、Active FX の結果としての炎症後色素沈着の発症は非常に低いことを発見しました。
すなわち我々アジア人にとっても非常に安全に使えるということを意味します。直径0.12mm のスポットと、異なるソフトウェアを用いたUltraPulse 向けの第二コンピューター生成のスポットサイズはDeep FX として知られています。Berlin らはこの技術を評価して、深層真皮蒸散型フラクショナルレーザー装置の治療における安全性と有効性を示しました。
Deep FX は容易に最大深度1mm の「穴」を作ります。Deep FX のダウンタイムは3〜5 日と報告されており、これも、深刻な有害事象は最小限であり、レーザー施術後の色素過剰は報告されていません。
Deep FX は、より高い浸透度とより短時間での回復(深い)―真皮深層切除を可能にします。
Active FX とDeep FX による最大限の結果を達成するには、現在は、多くが第1パスをDeepFX、第2 パスをActive FX として、2 つのモダリティを併用しています。
合わせてこれは「Total FX」と称されており、潜在的には「最高の」利益があるにもかかわらず、多くの患者は5〜7日間のダウンタイムと深刻な副作用の可能性があります。
しかし2つのモダリティの併用設定でのそのような重篤な副作用は1つも報告されていません。
文献で報告されている、臨床試験をした他のマイクロ蒸散型フラクショナルレーザー機器にはPixel 2940nm FT レーザー(Gold Star Medical Photoelectric Technology Co. Ltd.中国、北京)、 SmartXide DOT CO2 レーザー(Deka Medical, Inc.)、SmartSkin CO2 レーザー(CynoSure)がある。Lapidoth らは、Pixel 2940nm Er:YAG FT 機器を使用した経験を報告しました。
Pixel は2つのエネルギーモードがあります。1つは、81 のピクセルとドットを作り、もう1つはより深い浸透をする49 のドットを作ります。
Lapidoth らの研究で、中軽度の光損傷がある28 名の患者がPixel 機器を使用して治療され、治療から2 ヶ月後、75%の患者が治療を非常に良い、25%が良いと評価しました。これは6〜9 ヶ月続き、機器の有効性を示しています。Pixel 2940nm のFDA 承認は、肌のリサーフェイシング、しわ治療、瘢痕修復(例えば、にきび瘢痕)を含みます。
近年、Gotkin らはSmartXide DOT と知られているFT 向けの新CO2 マイクロアブレーティブレーザーを用いた経験を報告しました。32 名の患者が評価され、1 回のレーザー治療から6 ヵ月後、ほとんどすべての患者がしわ、表皮性色素、光線性弾性線維症の50%以上の改善を報告しました。ほかのCO2 レーザー(SmartSkin)の報告では、Gold らが光老化とニキビ瘢痕がある12 名の患者を治療し、2 つの治療セッションが行われ、すべての患者に51〜75%の改善がみられました。
臨床試験経験のある深層真皮蒸散型フラクショナルレーザー機器には、効果と安全性を支持するいくつかもの調査がされています。
その中の一つにFraxel RePair があります。Hantash らによるこの機器の最初の研究は、深層真皮への効果があることを示しました。免疫化学的染色は、最高3 ヵ月の間生じる創傷癒合を示すことから、著者は、この深層真皮のアプローチは非蒸散型フラクショナルレーザー機器よりもよい臨床結果があると信じています。その他の発表された研究のいくつかは、この概念を確認しています。(筆者注:蒸散型が非蒸散型よりも効果が高いのは当たり前といっていいでしょう)
Fraxel RePair では、多くの患者は、処置を行うに当たりある種の鎮静剤を必要とします。
これは、大多数の切除フラクショナルレーザー装置システムと同様であり、このほとんどの症例では、通常局所麻酔を必要とします。これは深層マイクロ蒸散型フラクショナルレーザー機器であり、蒸散型システムの中では最高のエネルギーを発生させるので、瘢痕などの有害事象を報告した文書がいくつかあります。これらはより多く、市場に投入され、熟練したレーザー外科医でない人々によって利用されたため発生していることで、我々はおそらくこれらの機器での有害事象の増加を見続けるでしょう。
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