ミノマイシン
ミノマイシンとは
ミノマイシンは黄色の抗生物質の内服薬です。幅広い感染症に用いられており、ニキビの治療にも用いられています。
ミノマイシンの適応
ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質で、感染症を引き起こすさまざまな細菌に効果があります。慢性気管支炎や性病のクラミジアの治療薬ですが、皮膚科ではニキビの治療薬として用いられています。ミノマイシンは錠剤の飲み薬ですが、軽いニキビではなく、赤ニキビのように炎症が進んでいるニキビに対して使用します。
ミノマイシンの作用機序
ミノマイシンはニキビ菌の増殖を抑える効果があり、中等度以上の炎症のあるニキビに対して使用します。細菌が増殖するには、DNAのコピーとたんぱく質の合成が必要です。ミノマイシンが細菌内に取り込まれると、たんぱく質合成に関わるリボソームにある30Sユニットと呼ばれる部分と結合します。その結果、リボソーム内のたんぱく質の合成が妨げられるため、細菌の発育を抑止することができます。
また一般的な濃度のミノマイシンは細菌を殺すのではなく静める効果があり(静菌といいます)、高濃度のミノマイシンは殺菌作用があります。ただ、ミノマイシンは比較的細菌の体内に取り込まれやすい特徴があるので、一般の量でも殺菌効果が期待できます。
ミノマイシンの効果
ミノマイシンは幅広い細菌に効果がありますが、ニキビに対してはアクネ菌を殺菌したり、アクネ菌の働きを抑えたりする効果があります。アクネ菌は皮脂を分解して、肌の炎症を起こす脂肪酸を作り出す作用がありますが、その働きを抑えることでニキビによる炎症を抑えることができます。
ミノマイシンは同じテトラサイクリン系の抗生物質と比べると、抗菌力が1~4倍と高く、比較的耐性菌が少ないのが特徴です。(耐性菌とは抗生物質の長期間の使用により、抵抗力を持った細菌のことで、薬が効かなくなる問題があります。)また、他のテトラサイクリン系の抗生物質に効きにくい、耐性ブドウ球菌にも効果が期待できます。とはいえ、ミノマイシンも耐性菌の発生を防ぐために、医師の指示に従い使用することが大切です。個人差がありますが、使用期間は数週間から数か月が目安になります。
ミノマイシンの副作用
ミノマイシンの服用後に吐き気・食欲不振・発疹・めまいなどの症状が出た場合、医師に相談してください。ミノマイシンによる消化器症状を和らげるために、コップ1杯の水と内服するのがおすすめですが、水分であれば何でもよいというわけではありません。例えばミノマイシンと牛乳を一緒に飲むと、薬の吸収が悪くなることがあります。ミノマイシンは他の薬との飲み合わせにも配慮する必要があるので、内服中の薬についても医師に知らせてください。
また非常にまれですが、ミノマイシンの重大な副作用として、アナフィラキシーやショック、血球減少、重症薬疹、肝障害が起こることがあります。不快感・呼吸困難・しびれ・発熱・目の充血・発疹・白目が黄色くなる等の症状は重大な副作用の初期症状であることもあるので、薬の使用を直ちに中止しなければなりません。なお妊婦さんや授乳中の女性に対して、ミノマイシンは処方することはありません。特に妊娠中期以降にミノマイシンを使用すると、将来赤ちゃんの歯が黄色くなることがあります。
※掲載内容・料金は更新時点での情報の場合がございます。
最新の料金は料金表ページ、内容は各院にお問合せください。