ファロム(ファロペネムナトリウム水和物)
ファロムとは
ファロムは赤くなったニキビ・化膿しているニキビに有効です。ですが、炎症を起こしていないニキビにはあまり効果がありません。 また、パッと見ニキビに見える「せつ・よう」にも有効です。
ファロムの適応
【表在性皮膚感染症】かみそり負け、傷 【深在性皮膚感染症】せつ、よう 【化膿性炎症を伴うざ瘡】ニキビ
ファロムの作用機序
植物や菌類、細菌類には「細胞壁」という防御機構が存在します。これは、外界の刺激から細菌(細胞)を守る為の「殻」の役割を担い、細胞壁の内側にある「細胞膜」から合成されます。特にアクネ菌はグラム陽性菌と呼ばれる種類に属し、細胞壁が厚く元来壊しにくいタイプの菌です。
ファロムは細胞壁自体を壊すのではなく、細菌の細胞膜にあるタンパク質に結合することで細胞壁の合成を阻害し殺菌作用を示します。
ファロムの効果
抗菌剤すべてに言えることですが、長期的に抗菌剤を使っていると、抗菌剤に耐性を持つ菌が出現し、抗菌剤が効きにくくなることがあります。耐性菌の発生を防ぐため医師の指示通り服用することが必須です。
特にファロムは抗菌効果を示す菌が多く、幅広い疾患に使用されます。そのため一度耐性菌が発現すると治療方針が大幅に変わることがあり、大変厄介です。抗菌剤への耐性を獲得させないためにも、医師の指示をしっかりと守ることが重要です。
ファロムは使用する疾患によって用量が変わります。ニキビに用いる場合、1日3回・1回1錠で服用します。食事の摂取有無と効果に関係はありませんので、食事を摂らなくても服用が可能です。ファロムは飲み忘れないことが重要である薬なので、1日のなかで飲めないタイミングがある人は必ず医師か薬剤師に相談しましょう。飲み忘れた場合の対処について、あらかじめ知っておくことが大切です。
また、前提として妊娠中・授乳中は避けることがベストです。しかし比較的安全な薬であることも事実ですので、膀胱炎や肺炎などで妊娠中にも処方されることがあります。重症ニキビの場合、期間を絞って処方されることも考えられます。
ファロムは薬との相互作用が少ない薬としても有名です。てんかん・躁うつ病・利尿剤・一部の高血圧治療薬との相互作用はありますが、市販の薬に含まれることはほぼありません。しかし、てんかんや躁うつ病・高血圧など他の疾患がある場合は医師・薬剤師の両方に伝えておきましょう。
腎機能にやや負担をかける薬であることにも注意が必要です。腎臓への過度な悪影響を防ぐため、服用期間中は水分摂取・排尿を積極的に行い脱水を予防しましょう。そのほか腎臓の働きが悪いと指摘されたことのある人は、医師か薬剤師に相談してください。
ファロムの副作用
ファロムは「ペネム系」と呼ばれる抗菌剤のグループに属しており、このグループの抗菌剤は他の薬に比べてアレルギー症状が起こりやすいことが知られています。抗菌剤にアレルギーのある人や酷い喘息の人、アレルギー体質が酷い人は使用を勧められない場合がありますので必ず申告してください。
また、どの抗菌剤も同様ですが腹痛や下痢・吐き気・食欲不振が多く起こります。これは抗菌剤によって腸内細菌のバランスが壊されるためです。症状が軽微であれば問題ありませんが、食事摂取に影響が出る程に重症である場合は薬の中断が必要です。
その他、頻度はかなり低いものの偽膜性大腸炎や間質性肺炎、腎障害など重篤副作用も報告されています。体がやけに浮腫む、異常に息が上がる、血便、急激な腹痛、空咳など普段と違う症状があれば受診をおすすめします。
※掲載内容・料金は更新時点での情報の場合がございます。
最新の料金は料金表ページ、内容は各院にお問合せください。