ニキビ跡の治療にはいくつかの種類がありますが、それぞれ適切な施術が異なります。ニキビ跡の状態によっては、ヒアルロン酸を組み合わせると、より肌の凹凸を目立たなくさせることができます。
ニキビ跡ができる仕組みと種類
ニキビ跡とは、ニキビが治癒した後に残る肌の凹凸や色素沈着、赤みのことを言います。ニキビ後の色素沈着や赤みは時間を要するものの、少しずつ改善していきます。一方、クレーター肌は皮膚のダメージが真皮まで及んでいるので、表皮で行われる肌のターンオーバーで治ることはなく、コンプレックスを抱える原因になります。
ニキビ跡のクレーターの種類
ニキビ跡のクレーターには形状や深さによって種類があります。
ローリング型
お椀のような形をしたニキビ跡です。ニキビの炎症に伴いコラーゲンなどの瘢痕組織が過剰に増え、それが皮膚を下に引っ張るためくぼみが起こります。
ボックス型
名前の通り、横から見た時に箱の形をしているニキビ跡です。ニキビ跡の底面は平らですが、周りの皮膚との境界がくっきりしているため、目立ちやすいという特徴があります。
アイスピック型
アイスピックで刺されたような点状で小さいニキビ跡で、深さがあります。ニキビの炎症により毛穴が変形し、毛穴が開いたまま変質することで起こります。深さが皮下組織まで達していることも多く、最も治療の難しいタイプです。
ニキビ跡治療で行われるヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸は、元々体内に存在している成分です。ヒアルロン酸を注入することでボリュームアップを図り、シワや凹みの改善が期待できます。元々体内に存在している成分のためアレルギーを起こしにくく、ピンポイントで気になる部分のボリュームアップを目指せます。
ニキビ跡のクレータータイプによっては、ヒアルロン酸注射を行うことがあります。クレーターにヒアルロン酸を注入することで、部位をふっくらさせてニキビ跡を目立たなくさせる効果が期待できます。
しかし、ただヒアルロン酸を注入するだけでは下に引っ張る線維線維組織を切ることが出来ず、また時間の経過とともに体内に吸収されていくため、持続性のある施術ではありません。当院ではまた別のアプローチで、ニキビ跡にヒアルロン酸注射を行っています。
ニキビ跡治療にヒアルロン酸が必要な例
当院では、サブシジョン治療や、花房式ニキビ跡治療の補助的にヒアルロン酸注射を行っています。ニキビ跡治療におけるヒアルロン酸注射で高い効果を得られるのが、ローリング型とボックス型のニキビ跡です。
ローリング型
当院では、ローリング型のニキビ跡に対しては、基本的にサブシジョンを行っております。サブシジョンで底面の下にある異常繊維を切断し、皮膚を引っ張る力を除去することで改善を目指せます。
しかしサブシジョンでニキビ跡の皮下組織にある異常化した繊維組織を切断しても、新たに異常繊維が形成され、底面と皮下組織が再び癒着を起こすリスクが高いです。そこで再癒着を抑えるためにヒアルロン酸注射をします。
サブシジョン後にヒアルロン酸注射をすると底面が盛り上がり、底面と皮下組織の癒着を予防することができます。ヒアルロン酸注射により、底面のボリュームアップも図れるので、サブシジョンだけではニキビ跡の十分な底上げができなかった場合にも適しています。
ボックス型
ボックス型のニキビ跡の中でも、1㎜以上の深さがある場合は、花房式ニキビ跡治療(炭酸ガスレーザー+サブシジョン)が適しています。
花房式ニキビ跡治療では、炭酸ガスレーザーでニキビ跡の縁をお椀状に削った後、サブシジョンにより、ニキビ跡の底部分を引っ張る線維組織を切り離します。ニキビ跡で目立ちやすい縁がなめらかになり、ニキビ跡の底がふっくらします。
しかし前述したように、サブシジョンでニキビ跡の底面の下に異常化した繊維組織を切断しても、新たに異常繊維が形成されてしまうことがあります。サブシジョン後にヒアルロン酸注入をすることで、再癒着を予防します。
皮膚内に注入したヒアルロン酸は1年ほどで吸収されますが、その間に傷が治るので、再癒着を防ぐことができます。
まとめ
ニキビ跡のクレーターへのヒアルロン酸注射は、へこみをふっくらさせて、ニキビ跡を目立たなくさせる効果が期待できます。ただしヒアルロン酸注射のみの場合、時間をかけて少しずつ体内で吸収されるので、ニキビ跡の根本的な改善にはなりません。
このため、当院では花房式ニキビ跡治療(炭酸ガスレーザー+サブシジョン)とヒアルロン酸を組み合わせることで、効果を高め、かつ、切断した線維組織の再癒着を予防します。
花房式ニキビ跡治療(炭酸ガスレーザー+サブシジョン)+ヒアルロン酸注射は、ニキビ跡でも多いローリング型やボックス型のニキビ跡の改善へ導きます。ニキビ跡で悩んでいる人は、ぜひはなふさ皮膚科にご相談ください。