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美容コラム

【ニキビ跡/毛穴】ポテンツァとフラクショナルレーザーのどちらを選ぶべき?

今回は、ニキビ跡や毛穴治療における、ポテンツァとフラクショナルレーザーを比較します。両方とも人気が高く、どちらから施術を受けるべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事を参考に、ご自身に合った治療を選んでくださいね。

ポテンツァについて

まず 最初にポテンツァについて解説します。
ポテンツァとは、ダーマペンやダーマローラー等に代表されるマイクロニードリングに、ラジオ波を組み合わせた治療のことを言います。
具体的には、小さな針がポテンツァの先から出てきます。針の本数は16個や26個などチップによって異なりますが、総じて針が出て、針の先からラジオ波(RF)が出てきます。それによって、皮膚の真皮に熱損傷を与え、皮膚を引き締める・皮膚の再生を促す治療法です。

最近だとドラッグデリバリーシステム(針を刺して、その針の穴から薬剤を入れる)も使えることが多く、刺した針の先から、何らかの薬剤を放出することも可能になっています。

ポテンツァのメリット

刺した針の先からRFを流す利点は、皮膚の表面が火傷にならないところです。
例えば RFを強く皮膚の表面に当てると、どうしても皮膚の表面が火傷になったり、傷になってしまうリスクがあります。しかし針を刺して熱を入れているのであれば、皮膚の表面が火傷になりにくいのです。
その結果ダウンタイムが極めて短く済みますし、忙しい人でもやりやすいっていうのが ポテンツァのメリットです。

さらにはドラッグデリバリーシステム(針を刺して、その針の穴から薬剤を入れる)によって薬の吸収も良くなります。

ポテンツァのデメリット

デメリットとしてはややお高めになる事が多い点でしょう。
またポテンツァではニキビ跡の角を取ることはできないため、角が目立つアイスピック型やボックス型のニキビ跡に対しては効果が限定的になりやすい、というデメリットがあります。

フラクショナルレーザーについて

ではフラクショナルレーザーとはどういうものなのでしょうか。
フラクショナルレーザーはレーザーを点状に照射することで、傷跡の発症を防ぎつつ、肌の生まれ変わりを促すという治療です。これだけ聞くと、ベースの考え方はポテンツァと似ています。

フラクショナルレーザーには
・アブレイティブフラクショナルレーザー(皮膚の表面に傷ができる)
・ノンアブレイティブ フラクショナルレーザー(皮膚の表面に傷がつかない)
の二種類があります。
私は、ノンアブレイティブフラクショナルレーザーが日本人には極めて効きが悪いと思っているため、本記事ではアブレイティブフラクショナル レーザーについて解説していきます。

アブレイティブのフラクショナルレーザーのなかでも、今回は私がよく使ってる炭酸ガスフラクショナルレーザー(炭酸ガスを利用したフラクショナルレーザー)をメインに解説していきます。

フラクショナルレーザーのメリット

フラクショナルレーザーのメリットはシンプルですが、効果がかなり高いという点です。

フラクショナルレーザーのデメリット

ダウンタイムが長い点はフラクショナルレーザーのデメリットの一つです。皮膚の表面に傷がつくため、治るまでに5日~最大1週間程かかります。したがってダウンタイムを確保できる人しか治療ができません。
また、アイスピック型のニキビ跡には効きにくい傾向があります。
そのほか、赤みが結構長引きやすい点も挙げられます。強く当てた場合は、傷自体は1週間程で良くなりますが、その後の赤みが数ヶ月続く場合があります。
炎症後色素沈着もリスクとして挙げられます。フラクショナルレーザーを当てた後に色素沈着が起こると、最大で半年ほど続く場合があります。
赤み・炎症後色素沈着の二つはフラクショナルレーザーの大きなデメリットでしょう。

効果の違い

ポテンツァとフラクショナルレーザーの効果の違いについてご説明しましょう。
実はニキビ跡に対しては、比較論文がさほど多くは存在しません。また、ポテンツァをどれだけ強く打つか・フラクショナルレーザーを打つ強さやモードによって効果の差はだいぶ変わります。

例えるならば、ライオンが強いのかトラが強いのか、という比較と一緒です。
例えばおばあちゃんのライオンとバリバリの若いオスのトラであれば、もちろんトラの方が強いでしょう。また、草原でやるのかジャングルでやるのか、によっても強さは違ってきますよね。
単純にトラとライオンのどちらが強いか、という比較はできませんよね。それと同じで、ポテンツァとフラクショナルレーザーを単純に効果を比較する事は不可能だと思ってください。

単純な比較はできないものの、ニキビ跡に対しては、フラクショナルレーザーの方が若干効果が高いという考え方が一般的だと思います。
フラクショナルレーザーは皮膚の表面にも損傷を与えるため、施術を繰り返すとニキビ跡の角の部分にも効果が出てくる可能性があるためです。ただし、これはいつも私が言っている通り「四方にテンションをかけて皮膚を伸ばして」照射した場合に限った話ではありますが、四方にテンションをかけてフラクショナル レーザーを照射していけば徐々にニキビ跡の角に対しても効果が出てくる可能性があります。
それに対してポテンツァは針を刺してそこからRFを照射するため、ニキビ跡の角に対しては効果が出にくいのです。
このように、ニキビ跡に対してはフラクショナルレーザーの方が効果が高いと考えられています。

毛穴に対しては比較論文がなく、私個人としては「フラクショナルレーザーの方が毛穴に対して効果が高い」とは言えません。同等と考えるのが普通ではないかと思います。

理由は、ポテンツァは刺した針の先からRFによる熱を入れることで、毛穴の収縮機能がかなり高まるためです。比較論文が無いため断定はできませんが、理論的にはポテンツァもかなり効果的なはずで、少なくともフラクショナルレーザーとポテンツァは同等ぐらいの効果があると考えています。

前述のとおり、フラクショナルレーザーは赤みや色素沈着のリスクがかなり高い施術のため、副作用が少ないのはポテンツァです。バランスで言うとポテンツァの方が高い、効果を出したいのであればフラクショナルレーザーを強くやると良い、という選び方が今のところの結論です。

ポテンツァとフラクショナルレーザーの選び方

結局ポテンツァとフラクショナルレーザーのどっちを選べばいいんだ!とお考えの方もおられると思います。

個人的には、毛穴治療であればポテンツァがおすすめです。ダウンタイムや副作用のことを考えると、ポテンツァの方がバランスがいいと思います。
ただいつもお伝えしている通り、皮脂の分泌量が多い方はイソトレチノインの内服等、皮脂の量を減らす治療と併用する必要がありますのでご注意ください。

ニキビ跡に対しては、人それぞれでしょう。角が目立つニキビ跡がたくさんあって、とにかく早く治したい方は フラクショナルレーザーでの治療を優先した方がいいかもしれません。ただ角が少ないとか、ダウンタイムが取れない方は ポテンツァの方を選んだ方が良いという結論になります。

ダウンタイムの比較

それぞれのダウンタイムがよくわかる比較写真をお見せします。

ポテンツァのダウンタイム

左から、施術直後・施術3日目・施術5日目です。

ポテンツァの方は、施術直後にほんのり赤いぐらい・翌日もちょっとほんのり赤いぐらいです。3日目にはほとんど赤みが収まっていて、もちろん5日目になると完全に収まっています。すなわち、ダウンタイムがほとんど無いのです。最近ポテンツァの人気が出てきている理由の一つかと思います。

フラクショナルレーザーのダウンタイム

クラクショナルレーザーはどうでしょうか。

施術翌日

左から、施術3日目・施術5日目です。

施術翌日はかなり赤く腫れてるのがお分かりいただけると思います。接客業の人だと少し辛いかもしれません。3日目あたりで赤みが落ち着いきて、かさぶたも落ち着いてきます。5日目ぐらいになると 完全に正常に戻ってることがわかりますが、一部赤み・色素沈着も出てきます。

ダウンタイムという点を見ると、ポテンツァの方がはるかに短くて優れています。

まとめ

いかがでしたか?
本日は ニキビ跡治療の二大巨塔、ポテンツァとフラクショナルレーザーを比較して解説しました。
どちらの施術をしようか迷っている方、ぜひ参考にしてみてください。
当院へもお気軽にご相談くださいね。

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監修医師紹介

院長
花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)
経歴
  • 平成18年3月  東京大学医学部医学科卒
  • 平成18年4月  癌研究会有明病院(初期研修医)
  • 平成19年4月  東京大学医学部附属病院(初期研修医)
  • 平成20年4月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(専門研修医)
  • 平成20年7月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(助教)
  • 平成20年12月  NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
  • 平成22年7月  東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
  • 平成23年7月  三鷹はなふさ皮膚科開設
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