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2018年07月20日

プロバイオティクスと美肌の関係

◇プロバイオティクスとは

プロバイオティクスとは、生体内で正常な腸内細菌叢に良い影響を与え、それ故に生化学的に有益な、生きている微生物および微生物の代謝産物を含有する製品のことです(Fuller, 1989; Salminen et al., 1998)。優れた安全性が証明されている、大数の乳酸菌(Lactobacillus、Enterococcus、Streptococcus、Bifidobacterium等)がプロバイオティクスとして使用されています。ある種のグラム陽性球菌、酵母、Escherichia coli等、他の微生物を含む製品も、同様にプロバイオティクスとして使用されてきました。プロバイオティクス製剤は、粉末、錠剤、飲料、発酵乳製品など幅広く入手可能です。 病原体に対する抗菌性と増殖を抑える効果によって、プロバイオティクスは腸内機能の調整に役に立ちます。又、プロバイティクスは免疫を刺激し活性化する効果があります。経口プロバイオティクスは、皮膚中の炎症性サイトキンの放出を調整することができ、ある実験条件下でのインターロイキン1α(IL-1-α)の特定の減少は、確実にニキビに対して潜在的に良い効果をもたらします。プロバイオティクスは、数々の胃腸障害において、カルシウムの生物学的利用を向上させ、結腸ガンのリスクを減らし、胃腸炎などの粘膜炎症を改善させると示されてきました。他の有益な効果には、血糖値及び血中の脂質の調整効果があります。 これらの効果は、腸の中の有益な菌の成長を選択的に刺激し、増殖させることによって得られます。プロバイオティクスは、多くの病気に対して予防法として使用することができるが、作用機序ははっきりしないままです。

◇プレバイオティクスとは

プレバイオティクスとは、腸内のプロバイオティク菌の成長を刺激する消化されない炭水化物として定義されました。これらは, 英の微生物学者Gibsonによって1995年に提唱された用語です. 成分がプレバイオティクスであるとされるには三つの重要な特徴を持っていなければならないとされています: 1. 上部消化管で分解・吸収されず(またはされにくく)に大腸に到達し,有益な細菌の選択的な栄養源となり,増殖を促進する 2. 腸内細菌で発酵されなければならない 3. 腸内細菌の成長および活動を選択的に刺激することができ、健康の向上と関連づけられてきた腸内細菌の成長又は活動を選択的に刺激することができる 大腸にて乳酸菌やビフィズス菌に分解され,腸内細菌のバランス改善や酪酸などの短鎖脂肪酸などを介し, 有用な効果を示すと考えられている. プレバイオティクスは、LactobacillusとBifidobacteriumの活動を対象にし、最も一般的なプレバイオティクスは、消化されないオリゴ糖である。 新バイオティックとは、「プレバイオティクスとプロバイオティクス両方を含有する製品」として定義されています。

抗菌性:

プロバイオティクスは、バクテリオシンとして知られているペプチドを産生しますが、それは病原性細菌に対して抗菌活性を有しております。これに加え、Lactobacillus ruteriは、定着を阻害するバクテリオシンを産生するいうよりは、むしろ競争的な排除によって表皮角化細胞へのStaphylococcus aureusの付着を阻害します。

光防護:

人工的に作られた毛のないネズミへのBifidobacterium breveの補給は、紫外線照射による肌の弾力性と外観の変化を予防しました。紫外線によるエラスターゼ活性(弾力線維を破壊する酵素)を抑えさらに過剰なサイトカインの活性を抑制するからと考えられています。

抗菌治療:

プロバイオティクスは、炎症性のニキビの治療において、抗生物質の全身投与を通じて引き起こされる副作用を減少する効果と、抗菌薬としての効果と相乗作用があります。プロバイオティクスの補給+ミノサイクリン(抗生物質)の治療とミノサイクリン単剤による治療の比較治療の研究が行われたことがあります。この研究では、プロバイオティクスが補充された群では、副作用が少ないだけでなく、炎症をより強力に抑えることができました。この結果から、ニキビ治療オプションまたは補助療法と見なすことができると結論付けられました。 ニキビ治療における抗菌物質の内服で最も大きい副作用の一つは、偽膜性腸炎、すなわちClostridium difficileに関連する下痢(CDAD)です。最近公表されたメタアナリシスによると、プロバイオティクスを抗生物質と併用することで、CDADが66%の減少することがわかっています。

創傷治癒と火傷:

抗生物質で火傷についてしまったバイオフィルム(火傷の表面を覆う細菌の膜)を治療できないことから、科学者はプロバイオティクスを用いて菌交代させる方法について研究を重ねてきました。すなわちプロバイオティクス、有害な細菌叢を無害な細菌叢に変換させようという取り組みです。ネズミの火傷における実験にて、局所Lactobacillus plantarum(ぬかずけなどの発酵食品に見られる菌)は、病原菌である緑膿菌定着を阻害し、組織修復を向上、そして免疫細胞による貪食作用を強化しました。 第二度及び第三度火傷を持つ患者の臨床研究では、L plantarum の投与は、細菌負荷の減少、肉芽組織の促進及び創傷治癒においてスルファジアジン銀と同じくらいに有効であることが判明しました。

髪や皮膚の外観:

プロバイオティクスヨーグルトまたは精製されたLactobacillus reuteriを食べたマウスは、美肌につながる有意に厚い真皮、成長期の毛包を増やし、そしてより多くの皮脂細胞が見らました。

酒さ(Rosacea)

酒さに対するプロバイオティクスの使用に関して、入手可能なデータはないが、酒さの患者は、対照群と比べてSIBO(腸内細菌異常増殖症候群)の比率が顕著に高いことが知られています。そしてrifaximinを用いて小腸内の細菌叢を正常化することで、酒さの症状を改善させうることが分かっています。また、Helicobacter pylori (ピロリ菌)の感染は、酒さの病因に関与すると考えられています。 プロバイオティック株でこれらの病原性細菌を置き換えることによって、酒さ患者の症状を改善できるかどうかはまだ解明されていません。

アトピー性皮膚炎とビフィズス菌

ある研究では、bifidus brevesの補給によってアトピー性皮膚炎の皮膚症状が改善し、糞便中のビフィズス菌の割合が大幅に増加し、患者のQOLが向上したと報告されています。上記の結果ビフィズス菌の投与は、大人のアトピー性皮膚炎のための有益な補助療法であることが示唆されます。

プレバイオティクスの種類と食品:

水溶性食物繊維
  • βグルカン :大麦
  • アルギン酸ナトリウム :海藻類
  • ムチン :おくら, なめこ
  • フコダイン :もずく, めかぶ
  • ケストース :たまねぎ, アスパラガス
  • ペクチン :柑橘類
  • グルコマンナン :こんにゃく
オリゴ糖
  • ビートオリゴ等 :ビート(てんさい)
  • フラクトオリゴ糖 :たまねぎ, アスパラガス,にんにく, ごぼう, バナナ
  • イソマルトオリゴ糖A :はちみつ, みそ, しょうゆ
  • アガロオリゴ糖 :寒天, のり
  • 大豆オリゴ糖 :大豆, 大豆製品
  • ガラクトオリゴ糖 :母乳, 牛 の 初乳
  • 乳菓オリゴ糖 :ヨーグルト(わずか)
  • キシロオリゴ糖 :たけのこ, とうもろこし
糖アルコール
  • エリスリトール :メロン, 梨, きのこ類, 味噌, ワイン
  • マンニトール :モクセイ科 マンナトネリコの樹液
  • イソマルチトール
  • パラチノース :はちみつ, さとうきび
  • マルチトール :菓子類, 飲料 の 甘味料
  • ソルビトール :プルーン
  • キシリトール :ガム, 飴の甘味料
  • ラクチトール
レジスタントスターチ
  • 未精製穀物
  • 玄米
  • ライ麦
  • そば など
  • 冷えた炭水化物
  • おにぎり
  • ポテトサラダ, かぼちゃサラダ
  • 枝豆
  • あんこを使った和菓子 など

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監修医師紹介

院長
花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)
経歴
  • 平成18年3月  東京大学医学部医学科卒
  • 平成18年4月  癌研究会有明病院(初期研修医)
  • 平成19年4月  東京大学医学部附属病院(初期研修医)
  • 平成20年4月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(専門研修医)
  • 平成20年7月  東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線
    レーザー科(助教)
  • 平成20年12月  NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
  • 平成22年7月  東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
  • 平成23年7月  三鷹はなふさ皮膚科開設
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